結婚指輪に使われる素材の代表格といえば、プラチナ。ゴールドなど、他にもジュエリーに人気の素材があるなかで、なぜプラチナが選ばれることが多いのでしょうか。今回はプラチナという素材が持つ魅力について、他の素材とも比較をしながら詳しく解説します。
先輩カップルが選んだ結婚指輪の素材は?
最新の調査(※)によると、結婚指輪で選ばれている素材とその割合は、以下のようになっております。
【結婚指輪の素材(夫)】
・プラチナ……86.0%
・ゴールド……6.3%
・コンビ(プラチナとゴールド)……4.8%
・その他……1.3%
・無回答……1.6%
【結婚指輪の素材(妻)】
・プラチナ……81.5%
・ゴールド……10.8%
・コンビ(プラチナとゴールド)……5.2%
・その他……1.1%
・無回答……1.5%
(※)「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」より
上記からもわかるように、プラチナは男女ともに8割以上が選んでいる、日本では圧倒的に人気の素材。2位のゴールドは女性でやや人気が高いですが、それでも1割強という数字です。プラチナとゴールドのコンビも5%前後いることを考えると、「かなり多くのカップルがプラチナの結婚指輪を選んでいる」と言って間違いはないでしょう。
多くのカップルが支持!結婚指輪にはプラチナが人気の理由
なぜ結婚指輪の素材として「プラチナ」が選ばれることが多いのか、その主な理由をご紹介します。
・希少性が高く、高級感がある
簡単には手に入らないレアなものほど重宝されるのは、ジュエリーの素材でも同様です。有史以来、人類が扱ってきたプラチナの総量は、わずか7200トンほど。プラチナは地球上の限られた地域でしか採掘できず、希少性が高いと言われるゴールドと比べても1/26程度しかなく、抜群に希少性が高い素材です。
簡単には手に入らない貴重な素材は、永遠の愛を誓いあえる相手に出会えた奇跡を表現するのにぴったりですよね。そのイメージや高級感も相まって、ブライダルリングとして選ぶ人が多いようです。
・TPOを問わず、年齢を重ねてもつけやすい
プラチナは銀白色の輝きを放つ素材で、透明なダイヤモンドとの相性が非常に良いことでも知られています。上品で落ち着いた雰囲気があるので、TPOを問わず着用しやすいですし、年齢を重ねた手に着用しても見劣りしない、上品な光沢と存在感があります。そうした点も、永く着用していく結婚指輪として選ばれる理由です。
・男性でも着けやすい
プラチナのジュエリーは時計やスーツなどとも相性が良く、その点で男性からの人気が高い理由になっています。ゴールドのジュエリーは華やかさが魅力ですが、アクセサリーに馴染みがない人の中には、「派手で着けづらい」と感じる人も。上品な風合いのプラチナですが、デザイン次第ではシャープでクールな雰囲気も出せるので、男性にとっても馴染みやすい素材です。
・サイズ直しにも対応できる
結婚指輪は、基本的に「永く着用していくこと」を前提に購入するリングです。体型の変化などに伴って指輪のサイズが合わなくなってしまうケースも少なからずありますが、プラチナは購入後のリサイズにも対応できる、柔軟な素材です。貴金属は素材によって特性がかなり異なり、一度作ってしまうと、リサイズや微調整が難しい素材もあります。プラチナはそうした心配がないため、結婚指輪として用いるのに安心の素材と言えるでしょう。
※ 宝石が全周に入っているなどのデザインの場合、リサイズができないものもあります。
※ サイズ直しのアフターサービスがあるブランド(ショップ)どうかも確認しておくといいでしょう。
・安定した素材である
プラチナは「変色しにくい素材」としても知られています。酸やアルカリが付着したり、高熱にさらされたりしても、変色・変質することはほとんどありません。結婚指輪は長期間、日常的に身に着けるものなので、重要なポイントですよね。
純度100%のプラチナは傷がつきやすく、変形しやすい弱点もありますが、ジュエリーにする際には強度や硬度を増すために1割前後、他の金属を混ぜるのが一般的です。これらの金属が、耐久性を補ってくれるため、プラチナの結婚指輪は必要な強度をしっかり保てています。
・金属アレルギーが起こりにくい
金属アレルギーは素材そのものではなく、「強度や硬度のために配合される金属が原因」であるケースが大半です。
他の金属が50%以上含まれているジュエリーもありますが、プラチナは85%以上の純度のものでなければ「プラチナ」と呼べない決まりがあります。結婚指輪に用いられる素材も、Pt900(プラチナ90%)、Pt950(プラチナ95%)など純度が高いものが大半で、他の金属はわずかにしか含まれていません。そのため、金属アレルギーの心配も少なく、安心です。
配合される金属についても、知識を持っておくと安心です。ニッケルやクロム、コバルトなどの素材は、金属アレルギーを起こしやすいことで知られており、逆にパラジウムやルテウムといった素材は、医療用にも用いられるアレルギーを起こしにくい素材です。肌が敏感な人は、購入時に詳細を確認しておくといいでしょう。
金属アレルギーに強い素材として、近年はチタンやジルコニウムといった素材も結婚指輪に用いられるようになりました。チタンなどは錆びにくく、軽くて丈夫ですが、一方で繊細な加工が難しく、「リングのサイズ直しができない」などの難点もあります。プラチナやゴールドなどのように「貴金属としての資産価値が高くない」側面もあり、総合的に見て、プラチナは結婚指輪として用いるのに優れた素材と言えるでしょう。
ゴールド系の素材とプラチナの違いは?
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結婚指輪の素材を検討する際、プラチナと同様に候補となりやすいのがゴールド。ここでは、人気のイエローゴールドやピンクゴールド、さらに色味がプラチナと似ているホワイトゴールドとの違いについてご紹介します。
・ゴールド全般とプラチナの違い
<希少性>
ゴールドは、紀元前から人類の装飾品として用いられてきた普遍的な素材。6000 年にも渡って愛されてきましたが、希少性の高い素材です。現在までに大きなプール4杯分ほどしか採掘されておらず、地球上の残存量も限られているため、「貴金属資産」として保有している人もいます。
一方、プラチナも採掘自体は古くから行われていましたが、加工が難しい素材のため、現在のように貴金属に使われるようになったのは18〜19世紀以降と言われています。粘りのあるしなやかな素材で、繊細なデザインを形にしやすく、宝石もしっかり留められる性質ということで、近代以降、現在まで人気が高いです。
<値段>
同じデザインであれば、プラチナのほうがゴールドより2〜3割ほど高いのが一般的です。何方も希少性は高い金属ですが、上述したように、プラチナのジュエリーは含有量85%〜95%と純度の高いものが多いため、その分だけの費用がプラスされ、プラチナのほうが少し価格が張るケースが多くなります。
<重量感>
ゴールドとプラチナを比べると、プラチナのほうがずっしりとした重量感があるのも特徴です。リングの高級感や満足感と捉える人も多いですが、中には「重たい」と感じる人もいるので、着用したときの感覚は、購入前に確かめておきましょう。
<耐久性>
ゴールドはプラチナと同様、変色や錆に強い素材です。そのままでは柔らかく、傷が付きやすい特徴もありますが、ジュエリーにする際はプラチナと同様、複数の金属を混ぜて強度・硬度を高めているので、一般的なブライダルリングのブランドの商品であれば、いずれも心配は無用です。
続いて、ゴールドで人気の3種類についてご紹介します。
<イエローゴールド>
ゴールドは、混ぜる金属の種類や割合によって色が変わる特徴があります。一般的にイメージする黄金色(イエローゴールド)とプラチナの最大の違いは、そのカラーと雰囲気。優美で上品な雰囲気があるプラチナと比べ、華やかでカジュアルな雰囲気がまとえます。プラチナと同様、イエローゴールドも日本人の肌色にも合いやすいカラーと言われており、変色にも強い特徴があります。
<ホワイトゴールド>
一見、プラチナにも似た雰囲気の「ホワイトゴールド」ですが、パラジウムを混ぜたり、その上にロジウムでコーティングをしたりすることで、美しい白さに仕上げています。この点が、天然の白い貴金属であるプラチナとは異なる点です。
コーティングを施していると使用しているうちに表面の加工がはがれ、元の金色が現れてくることもあるため、購入時の白い色合いをキープするには、随時メンテナンスを行うことが必要です。
<ピンクゴールド>
プラチナとの違いは、そのカラーと変色の可能性です。ピンクゴールドは銅を多く混ぜることで、ほんのり赤みがかった色合いにしています。愛らしい雰囲気があり、特に女性に人気が高いですが、銅には硫黄成分に反応して変色する性質があります。そのためピンクゴールドの結婚指輪は、温泉や入浴剤との反応には注意が必要です。
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プラチナの結婚指輪のデザイン例
ここからは、プラチナの素材のよさを生かした結婚指輪のデザイン例をご紹介していきます。デザインを検討する際の参考にしてみてくださいね。
<ホライズン>
内側に向けて丸みを施し、優しく指にフィットする着け心地を追求したデザイン。ダイヤモンドもフラットにセッティングされており、日常使いのしやすさも魅力です。
<アプローズ>
プラチナとダイヤモンドの美しいコンビネーションを存分に楽しみたい方には、こんなデザインもおすすめ。華やかなエタニティタイプのマリッジリングです。
<エコー>
指をきれいに魅せたい方は、U字のデザインも検討してみるといいでしょう。まろやかな曲線が、指に美しく馴染んでくれます。
<ジョイス>
「デザインに少し個性も欲しい」という方、アンティークな雰囲気が好きな方には、「ミル打ち」という装飾が施されたリングもおすすめです。シンプルながら、飽きの来にくいデザインです。
<ベッドフォード>
エッジィな雰囲気が好きな方には、こんなモダンな雰囲気のリングもおすすめです。モダンで律動的なカットにより、プラチナならではの煌めきと重厚感を堪能できます。
<スイート アイヴィ>
繊細に絡みあうフォルムをつくりだせるプラチナ素材の魅力が活きるデザインです。ひねりを加えたデザインが指元で目を引き、上品でありながら華やかな印象を与えます。
まとめ
結婚指輪にプラチナが選ばれる理由は、「永く日常的に着用していくのにふさわしい、バランスの良い魅力を備えているから」と言えそうですね。とはいえ、プラチナ以外の素材にも魅力は十分にあり、最終的には二人が最も気に入る、納得のいく結婚指輪を選ぶのがおすすめです。「どの素材の結婚指輪を選ぶか」で迷ったときには、ぜひ参考にしてみてくださいね。
更新日時:2022.04.20