永遠の愛の誓いの証として贈りあう結婚指輪に、「二人だけの刻印」を入れられることはご存じですか? ただし、刻印を入れる際にはいくつかの注意点もありますので、この記事では事前に確認しておきたいことやよくある疑問点について解説します。実際の刻印例もたくさん紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
結婚指輪に刻印を入れる人の割合とメリット
最新のアンケート調査(※)によると、結婚指輪に刻印したカップルは全体の72.7%。7割以上のカップルが、結婚指輪に何かしらの刻印を施していることが分かります。
刻印を入れる最大のメリットは、「二人だけの特別感」を演出できる点。刻印を入れることでリングへの愛着感がグッと増しますし、刻印を見るたびに、お互いの存在や愛の誓いを確かめる効果も期待できます。リングの表側に入れることもできますが、指輪の裏側に入れるのが一般的で、外したときに二人だけに見えるものになります。
特別感を出すには、フルオーダーメイドや手作りにこだわってみるのも選択肢の一つですが、その場合は、時間や費用がかさむ難点があります。その点、刻印ならば手軽にできますし、無料で刻印サービスをしているブランドやショップもあるので、安心ですね。
(※1)「アンシェウエディング」による独自調査。結婚指輪を購入した入籍済みの男女370人対象、2020年4月1日~5月25日調査。
結婚指輪の刻印のアイデア集
刻印を入れて、世界にひとつだけの結婚指輪に仕上げたいと思ったときに、「どんな文字を刻印するか」は、悩みどころですよね。シンプルに日付やイニシャルを入れるのも一案ですが、「人とは違うオリジナリティあふれる刻印にしたい」あるいは「あとから後悔しないような文面を知りたい」という方もいるかと思います。
そこでここからは、結婚指輪に入れる刻印のアイデアを、定番から個性的なものまでバラエティ豊かにご紹介します。
<定番のイニシャル・記念日>
刻印の中で最もスタンダードなのは、「イニシャル」「名前」「記念日」などです。これらを入れるだけで、二人だけの結婚指輪という実感がグッと増すはずです。いずれか、あるいは組み合わせて刻印するといいでしょう。
例えば、2021年4月22日に入籍した、貴志さんと梨花さんの結婚指輪の場合。
・T to R、Y to R
・T & R、Y & R
・T♡R 2021.4.22
・21.4.22 T to R
・Apr 2021 to RIKA
・Apr 2021 from T to R
指輪の幅やデザインによって、刻印できるスペースは異なりますが、余裕がある場合は、イニシャルだけではなく、名前をしっかり入れてみるのもおすすめ。漢字や家紋などの図柄を入れることも可能です。
<愛の誓いを閉じ込めて!英語でひと言メッセージ>
結婚当時の想いを閉じ込めたい、愛する誓いを刻んでおきたいという人には、メッセージの刻印も人気です。1〜3語ですっきりと短いメッセージを入れる場合は、以下のようなものを検討してみるといいでしょう。
・Precious(かけがえのない存在)
・Cherish(大切に慈しむ)
・Destiny(運命)
・Be Loved(最愛の人)
・Sweet Heart(愛する人)
・With Love(愛と共に)
・Only Love(唯一の愛)
・True Love(真実の愛)
・Forever Love(永遠の愛)
・Always with you(いつもあなたと共に)
・All My Love(わたしの愛のすべて)
・Yours Forever(永遠にあなたのもの)
・Get Along Together (いつまでも仲良くいよう)
・Heart To Heart(心をこめて)
・Stand By Me(わたしのそばにいて)
<文章そのものがデザインに!英語で長文メッセージ>
結婚指輪に刻印できる文字数には制限がありますが、アームにぐるりとめいっぱいメッセージを刻めば、デザインの一部のようになることも。より自分たちらしいオリジナリティも出ます。長文を希望する場合は、あらかじめ刻印可能な最大文字数を確認しておくといいでしょう。
・I promise love of the eternity. (永遠の愛を誓う)
・I had good fortune to meet you. (あなたに巡り合えたことが、わたしの幸せ)
・Your happiness is always wished. (あなたの幸せを願わない日はない)
・I love you more than anything else in the world. (他の何よりもあなたを愛している)
・If I know what love is, it is because of you. (あなたのおかげで愛の意味を知った)
<お気に入りのラブソングを!歌詞から引用>
二人が好きなラブソングから引用してみる、というのも一案です。音楽が好きな二人や、思い出の曲がある場合は、お気に入りのフレーズを刻印してみてはいかがでしょうか。ペアリングとしての特別感をより高めたいならば、歌詞の前半分を片方のリングに、後ろ半分もう片方のリングに……といった趣向を凝らすことも可能です。
・Love of My Life(生涯の恋人) / Queen
・Close to you(あなたのそばに) / The Carpenters
・Loving You(あなたを愛している) / Minnie Riperton
・Stay with me(わたしと一緒にいて) / Sam Smith
・From me to you(あなたに愛をこめて)) / The Beatles
・So much in love(あなたの虜) / The Tymes
・Come Away With Me(わたしと一緒に来て) / Norah Jones
<ロマンチックな雰囲気に!英語以外のメッセージ>
「他の人に簡単に読み取られないようなメッセージがいい」という方や、特定の国・言語に興味や関連性があるカップルには、英語以外の言語でメッセージを刻印するのもおすすめです。より特別感が増しますし、ロマンチックな刻印となることでしょう。
【フランス語】
・Pour Amour (愛をこめて)
・Pour Toujours(永遠)
・Vrai Amour(真実の愛)
・Tous les deux (いつも二人で)
・Fasse que tu sois toujours heureux(幸運に恵まれるように)
【イタリア語】
・Cara(愛しい人)
・Eterna(永遠)
・Ti Adoro(深く愛している)
・Sono pazza di te(あなたに夢中)
・Sei tutto per me(あなたはわたしのすべて)
・Ti amo per come sei(ありのままのあなたを愛する)
【スペイン語】
・Confianza(信頼)
・Felicidad(幸福)
・Lazo(絆)
・Mi Amor(愛しい人※男性に向けて)
・Mi Vida(愛しい人※女性に向けて)
・Caminando juntos(これからの人生をともに歩もう)
【ラテン語】
・de fideli(誓いとともに)
・totus tuus(身も心も捧ぐ)
・utraque unum(二人でひとつ)
・seculo seculorum(ずっと、永遠に)
・ad multos annos(末永く未来へ)
・Con Todo Me Amore(私のすべての愛をこめて)
【ハワイ語】
・Mahalo(ありがとう)
・Mana(神聖な力、魂)
・Welina(愛をこめて)
・No na kau a kau (今もこれからも永遠に)
<モチーフ>
文字だけでなく、モチーフの刻印を入れる選択肢もあります。他の人にはない、オリジナリティを感じられそうですよね。
・ハート(愛や感情の象徴)
・スター
刻印に際して、確認しておきたいこと
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刻印を検討する際には、いくつか注意すべきポイントもあります。「確認を怠って、希望どおりの結婚指輪にできなかった」と後悔するような状況にならないためにも、以下の項目をチェックしておくことをおすすめします。
・刻印できるデザインのリングかどうか
①リング幅
指輪に刻印を入れる場合は、ある程度の幅が必要です。特に女性用の指輪には2.0mm〜2.5mm程度の華奢なデザインのものもあり、刻印できる内容に制限がかかる場合も。刻印したい内容がある場合は、デザインを選ぶ段階から、刻印を入れられる幅を前提としておくといいでしょう。
②サイズ
サイズが小さいと、リングの円周も短くなり、刻印できる文字数は少なくなります。ただ結婚指輪は、指にぴったりと合ったサイズを選ぶことが大事です。指が細い人は、長文の刻印は難しい可能性があることを、心得ておきましょう。
③光穴
ダイヤモンドが入っている指輪では、周囲の光を採り入れてキラキラとした輝きを作り出せるよう、アームに「光穴」が開けられているケースがあります。光穴があるリングの場合、刻印ができない可能性もあるので、デザインを選ぶ前にお店の人に確認しておきましょう。特にエタニティリングのような、隙間なくダイヤモンドを入れているデザインには注意が必要です。
・入れられる文字数
刻印できる文字数は、リングのデザインやサイズによって異なります。おおよその目安としては、9号サイズの結婚指輪で、<最大で15〜20文字以内>くらいを考えておくといいでしょう。ただし上述したように、デザインによっても異なりますし、小さいサイズになるほど刻印できる文字数も少なくなります。購入後に「決めていた文字数が入らない」という事態を避けるためにも、「何文字まで刻印可能か」は購入前に確認しておきましょう。
尚、リングには品質を証明するために、ブランドマークや素材(例:Pt900、18Kなど)、ダイヤモンドのカラット数(0.2ctなど)が必ず刻印されています。オリジナルの刻印は、それ以外のスペースに入れることになるので、「リングの全周を自由には使えない」という点も心得ておくといいでしょう。
・費用感
刻印にかかる料金は、ショップやブランド、また刻印の種類によって異なります。指輪を購入すると無料で刻印してくれるサービスをしているところも多くありますが、特殊な加工が必要だったり、刻印内容が複雑だったりすると、追加料金が発生する場合もあります。刻印可能な文字数と併せて、事前にお店に確認しておくといいでしょう。
・刻印サービスがあるブランド/ショップかどうか
そもそも「刻印サービスを行っているブランド/ショップかどうか」という点も確認が必要です。刻印を行っていない場合は、別途刻印だけをお願いするお店を探す必要がありますし、刻印を受け付けているお店でも、できる内容に制限がある場合もあります。選ぶデザインによっても「刻印できる条件」は異なりますので、購入するブランドやショップを決定する前に検討しておくことをおすすめします。
・納品までの期間
職人さんが常駐しているブランドやショップの中には、即日で刻印の対応をしてくれる場合もありますが、通常は注文しておいて、後日受け取るのが一般的です。注文と同時に刻印を申し込んだ場合は1~2か月、後から刻印のみを依頼する場合は1~2週間を目安にするといいでしょう。希望の納期に柔軟に応じてくれるブランドやショップもあるので、「挙式に間に合わせたい」などイレギュラーな要望がある際は、具体的に相談をしてみるといいでしょう。
・購入後に、追加・修正・削除ができるかどうか
購入後に刻印を追加したり、修正したり、削除したり……といったことが可能かどうも、確認しておけると安心です。
たとえば結婚指輪の購入時には入籍日が未定、というケースもありますよね。「刻印する内容を熟考して決めたい」という人もいるでしょうし、「子どもが生まれてから、記念日やメッセージを入れたくなった」等々、後から刻印を入れたい、というケースは意外と多くあります。
刻印の追加は、入れるスペースさえあれば多くの場合、対応が可能です。ただし購入時以外の刻印は、別途料金がかかるケースも少なくないので、まずは購入店に相談してみましょう。
刻印を消したい場合は、少しハードルが高くなります。刻印部分の表面を削り取ったり、金属で埋めたりといった手法が取られるのが一般的です。プロの手にかかれば大抵は綺麗に消せますが、削り取る部分が広いと、リングのサイズがわずかに大きくなってしまう場合もあります。
「間違った刻印をして修正したい」といった場合も同様の作業をします。外国語のスペルや日付などを入れる場合は、入念な確認をして、正確に注文するようにしましょう。
何度も入れたり消したりを繰り返すことはおすすめできませんが、刻印後に納得がいかない場合は、新しい刻印を入れ直したほうがベターでしょう。想いが込められた指輪なので、満足いくように仕上げることが大切です。
・リサイズの可能性
サプライズで贈った後にサイズ調整をする場合や、結婚後に指のサイズが変わった場合は、「リサイズ」を行う可能性があります。そのため、スペースにめいっぱい文字数を入れてしまうと、サイズ調整の際に削れてしまう可能性も。一旦、刻印を消してサイズ調整を行い、改めてメッセージを刻印し直す……ということも可能ではありますが、できるだけ不必要な手間は減らしたいですよね。刻印を入れる前から、「リサイズをしても問題がないくらいの適切な文字数」を確認しておくのがおすすめです。
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刻印に関する、よくある疑問点
最後に、刻印を検討するカップルが悩みやすい疑問点に対して、回答をご紹介します。
Q. おしゃれな刻印に仕上げるコツは?
→ A. 詰め込みすぎないのがポイントです。
インテリアなどでも同様ですが、センスよく仕上げるには、余白やスペースを残すこともポイントです。文字の長さや文字の大きさを調整することで、余白を残しておくと、素敵に仕上がる可能性が高くなるでしょう。長文メッセージを入れたい場合は、二人で分割して刻印する方法も検討してみるといいでしょう。多少のスペースを残しておくと、将来、リサイズの必要性が生じたときにも安心です。
Q. 自分で刻印を入れてもいい?
→ A.可能ですが、オススメできません。
自分で刻印を入れることは、あまりおすすめできません。ハンドメイドで指輪を作るお店の中には、自分たちの手で絵や文字を入れることを推奨しているところもありますが、そういった環境があるお店以外ではおすすめできません。綺麗に仕上げたいならば、プロに任せたほうが安心ですし、既製品に自分で刻印を入れてしまうと、指輪の保証がきかなくなる場合もあります。特別な理由がない限り、刻印はお店にオーダーするのがベターです。
Q. 刻印を入れると、貴金属としての価値が下がる?
→ A.下がることはありません。
高価な結婚指輪は、貴金属資産でもあります。そのため「万が一、結婚指輪を売却しなければならなくなった際、刻印が入っていると価値が下がるのでは……と心配する方もいるようです。しかし指輪はそのままの状態で再販売されるケースは、まずありません。素材としての地金や宝石の価値で価格が決まるので、「刻印でマイナスになることはない」と考えてOKです。
Q. 記念日ごとに刻印を増やしていきたい
→ A.多くの場合、可能です。
1年ごと、あるいは5年、10年ごとに文字やハートなどの刻印を増やしていく……なんてロマンチックな刻印の楽しみ方もあります。入れられるスペースがあるかぎり、刻印の追加は可能と考えていいでしょう。ただ上述もしたように、購入時以外の刻印追加には、別途料金がかかるケースもあります。心づもりがある場合は、購入したブランドやショップに聞いてみるといいでしょう。
まとめ
二人の想いやオリジナリティを感じさせるメッセージやモチーフを刻印することは、特別な結婚指輪に仕上げるおすすめの方法です。“世界にひとつの指輪”に仕上げられる最も手軽な方法なので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
更新日時:2024.10.02