ふたりの愛の証として、結婚を機に購入される結婚指輪。毎日、かつ何十年も着用していく可能性があることを考えると、「ファッションジュエリーのように好みだけで選んで良いの?」と不安になる方もいるでしょう。結婚指輪選びで後悔をしないためには、幅広い観点から検討する必要があり、選び方がとても重要になってきます。そこで今回は、結婚指輪と婚約指輪の違いをはじめ、結婚指輪の費用相場や選び方、費用負担と納期などを詳しく解説します。ふたりが満足できる結婚指輪を選ぶためにも、ぜひご覧ください。

結婚指輪と婚約指輪の違いについて

結婚指輪の選び方を徹底解説!指輪選びにおいて大切なポイントもご紹介_2

マリッジリング、エンゲージリング、ブライダルリング、ウェディングリングなど、結婚にまつわる指輪にはさまざまな呼び名があります。そのため、「それぞれ何が違うの?」と疑問を感じる方もいるでしょう。まずは、それぞれの指輪の違いをご紹介します。

結婚指輪

日本で「マリッジリング」と呼ばれているのが、結婚指輪です。結婚式の指輪交換の儀式で用いられ、結婚後はふたりで着用するのが、この指輪になります。

結婚指輪の起源は、9世紀頃と言われています。ローマ教皇の結婚式で使われたのが始まりで、キリスト教の普及とともにヨーロッパに広がり、13世紀頃には一般的な慣習となっていきました。日本においては婚約指輪よりも早く、明治時代の後半から大正時代にかけて結婚指輪を着用する文化が広まってきたと言われています。

ただし、「マリッジリング」は和製英語です。英語圏では、一般的に「ウェディングリング」と呼ばれています。マリッジとウェディングという英語は、日本ではどちらも「結婚」と訳しますが、マリッジのほうが「婚姻」に近い形式的な言葉のため、指輪本来のロマンチックな意味を考えると、「ウェディングリング」のほうがフィットするのだそうです。

婚約指輪

婚約指輪は別名「エンゲージリング」と呼ばれており、婚約を機に贈られるのが一般的です。映画やドラマなどのプロポーズのシーンで、パカっと箱を開けてパートナーに結婚を申し込む姿を見たことがある方は多いのではないでしょうか。プロポーズで使われているのが、この婚約指輪になります。ふたりで着用する結婚指輪とは違い、贈られた人だけが婚約指輪を着用するのが一般的です。

婚約指輪の起源は非常に古く、古代ローマ時代から婚約の証として用いられてきた、と言われています。当時から、法的な責任や契約の意味合いも込められていたそうです。15世紀頃からは現在のようなダイヤモンド付きのデザインが用いられるようになり、19世紀頃までにヨーロッパ全土に浸透。日本では戦後の高度経済成長期に人気となり、一般的になりました。

なお、婚約指輪と結婚指輪の2つを合わせた総称を、「ブライダルリング」と呼びます。

結婚指輪の費用相場

結婚指輪の選び方を徹底解説!指輪選びにおいて大切なポイントもご紹介_3

では、ふたりで身に着ける結婚指輪の費用相場はいくらなのでしょうか。

「ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ」によると、ふたり分の結婚指輪の平均費用相場は27万円となっています。内訳を見ると、20〜25万円未満の結婚指輪を選んだカップルが最も多く、次に25〜30万円未満、30〜35万円未満と続きます。

この結果から、「20〜35万円の結婚指輪を購入するカップルが多い」ということがわかります。

結婚指輪は高額なものでなければならないということではありませんが、予算設定に迷ったときはぜひ先輩カップルのデータを参考にしてみると良いでしょう。

 

ベストな結婚指輪選びのために必ず押さえておきたい3要素

結婚指輪を選ぶ際には、いろいろな観点があり、二人の価値観によっても重視するポイントは異なります。ただし、<デザイン、素材、サイズ>という3つのポイントは、どんな方でも必ず検討しておきたい要素になります。実際の商品写真も参考にしながら、詳しくご説明します。

①デザイン

結婚指輪は日常的に身に着けるものであることから、シンプルで落ち着いたデザインが好まれます。「それなら無難に、プレーンで装飾のないものを選んでおこう」と思う方もいるかもしれませんが、実はシンプルさを保ちながらも、リングの形状やライン、メレダイヤモンドの配置などで個性をプラスできるデザインはたくさんあります。使いやすさは大事ですが、長く着用していくものだからこそ思い入れを持てる、お気に入りのデザインを探してみるのがおすすめです。

(シンプル+αのデザイン例)


キャナル


グレートヒル


レンブラント

(参考)結婚指輪はシンプルが一番?普段使いに最適なシンプルなデザインの魅力からデザイン例まで幅広く解説

結婚指輪のなかには、着ける人の指がすらりと美しく見えるようデザインされているものもあります。「手指の形にあまり自信がない」「指をできるだけ長く綺麗に見せたい」といった希望がある方は、S字、U字、V字といったデザインを選ぶのがおすすめです。

(指を美しく魅せるデザインの例)


グレン


エコー


クリーク

「職場の規則もないので、華やかなものにしたい」「ほかの人とかぶらないデザインが良い」という方は、ダイヤモンドのあしらい方やリングの形状にこだわった、華やかさやオリジナリティのあるデザインを選ぶと満足度が高くなるでしょう。

(華やかさやオリジナリティにこだわったデザインの例)


グレイシャス


アイヴィ

②素材

続いて検討したいのは、素材です。結婚指輪は毎日長時間、指に触れるものになるので、 「自分の手指や肌との相性」が良いものを選ぶ必要があります。

もし、金属アレルギーの可能性がある方は、特に細心の注意を払って選びましょう。「見た目のデザインだけで選んで、アレルギー反応が出てしまった」とあとから判明した場合、着用したくても着用できないという事態に陥る可能性があります。金属アレルギーがあり、プラチナやゴールドの着用が難しそうな場合は、他の素材も検討してみると良いでしょう。

金属アレルギーの心配がない方でも、「できるだけ耐久性の高い素材」を選ぶことが肝心です。結婚指輪は日常生活の中で着用するので、うっかり家具などにぶつけて傷がついたり、強い化学成分に触って変色してしまったりするケースもゼロではありません。

結婚指輪として人気の「プラチナ」と「ゴールド」は、どちらも耐久性に優れた素材なので、心配は無用です。ただし注意したいのは、その純度。純度が高くなるほど硬度は落ちてしまうので、例えばK24のゴールド(純度100%)などは柔らかすぎて、日常生活で使う結婚指輪にはあまり向きません。素材の純度に関しても、購入前にチェックしておくと良いでしょう。

(参考)結婚指輪の素材に関するお悩みを徹底解決!選ぶポイントや「夫婦別の素材にしてよいのか」など幅広く解説

③サイズ

結婚選びにおいて、とても重要な要素と言えるのが「サイズ」です。着け心地や見た目の美しさにも大きく関係する要素のため、しっかりと選ぶ必要があります。

ポイントは、今の自分の指に「ぴったり」「しっくりくる」と感じられるサイズを選ぶこと。無理して小さいサイズを選ぶと、指にリングが食い込み、見栄えが損なわれてしまうこともあります。指が締めつけられて疲れるだけでなく、最悪の場合、抜けなくなってしまうトラブルも予想されます。

一方、「最近体重が増え気味だから」と大きめのサイズを選ぶのも、リスクが高いのでおすすめできません。大きめの指輪は、指の根元でするすると回転してしまいます。装飾の位置がずれて日常生活の邪魔になったり、最悪の場合、気付かぬ間に落としてしまったり……といったことも起こりえます。

サイズを測る際に注意したいのは、「むくみ」です。足と同様、指にもむくみが起こります。夕方や夜、お酒をたくさん飲んだ日の翌日などは、普段より指のサイズがアップしていることもあるので要注意。女性の場合、妊娠中はかなりむくみが出やすくなります。むくみの有無によって1~2号サイズが一時的に変わることも珍しくありません。

家でも簡単に測れるリングゲージなども販売されていますが、店頭で測る場合は1回の測定だけで済ませず、検討時や購入時、受け取りのタイミングで何度か測ってもらい、「ベストなサイズの結婚指輪になっているかどうか」をしっかり確認しておくのがおすすめです。

また、結婚指輪を購入する前に「サイズ直しができるかどうか」も確認しておきましょう。素材やデザインによっては結婚指輪のサイズ直しが難しく、断られるケースもあります。サイズが小さいと締めつけられて痛みを伴う可能性があり、反対にサイズが大きいと結婚指輪を紛失する恐れがあります。これでは結婚指輪を安心して身に着けられなくなってしまうため、長く着用することを考えてサイズ直しの可否を確認してから購入しましょう。

結婚指輪選びにおいて大切な5つのポイント

結婚指輪の選び方を徹底解説!指輪選びにおいて大切なポイントもご紹介_4

結婚指輪を選ぶ際は、以下の5つのポイントも考慮することが大切です。

職場の着用ルールを確認しておく

普段ジュエリーやアクセサリーに意識が向かない方の中には、職場における着用ルールを把握していない方もいるでしょう。「仕事中に着用するか」によっても選ぶデザインのポイントは大きく変わってくるので、職場の人に聞いてみるなど結婚指輪を購入する前に調べておくことが大切です。

一般的に、医療や飲食など「衛生面」が重視される職場、工場や建設現場など「安全面」が重視される職場、そして保育や介護、サービス系など「人に触れる」職場などでは、結婚指輪の着用が推奨されていません。ただし、職種によっては結婚指輪を着用しても良い場合もあるので、どの程度のデザインであれば良いのかを確認しておくのがおすすめです。

体を使う仕事や金属加工などの仕事をされている人は仕事中には外す、もしくは傷や歪みに強い素材を選ぶことも検討してみると良いでしょう。

(参考)結婚指輪って職場でどうしてる? 仕事中のマナーや選ぶ際の注意点まで幅広く解説

着け心地にこだわる

指輪を着け慣れていない人の場合、「指輪は加工方法などによって着け心地が異なる」という事実を知らないケースもあります。内側を丸く削ってするりと滑らかな心地に仕上げている指輪もありますし、ゴツゴツとした印象を与えるために、あえてシャープさを保っているものもあります。指輪の幅によっても、存在感や手を握ったときの感覚が変わってきます。

初めて指輪を選ぶ方は、店頭で結婚指輪をどんどん試着してみるのがおすすめです。「これは自分の指にしっくりくる」「着けているのを忘れそう」と感じるような結婚指輪を選ぶことができれば、毎日快適に着用できるはずです。

パートナーに丸投げしない

結婚指輪は誓いの証でもあり、大切な記念品でもあります。そのため、結婚指輪を選ぶ際はパートナーに任せきりにしないことが大切です。

相手の価値観にもよりますが、「適当なのを選んでおいて」などと丸投げしてしまうと、相手に寂しい、虚しい、誠実ではないとネガティブな感情を抱かせてしまう可能性があります。無事に結婚できても、後々まで禍根が残ってしまうかもしれません。

予算に関しても一方的に決めず、ふたりで納得のいく価格帯のものを選ぶのがおすすめです。大切なのは、「一緒に相談して決める」という姿勢。一生に何度とないイベントなので、ふたりで楽しんで選ぶようにしましょう。

似合うデザイン・ぴったりのサイズを選ぶ

結婚指輪のデザインを事前に調べて、「こんな指輪を着けたい!」という希望を持って店頭に向かう人は少なくありません。しかし、実際に試着してみると「自分の手にはいまいち似合わない」と悩むことも。手が小さい、指が太い、関節がゴツゴツしているなど、誰でもそれぞれ手の悩みがあるのは当然のこと。洋服と同様、自分の手を一番美しく彩ってくれるデザインを選んだほうが、後々の満足度は高くなる可能性が高いと言えます。そのため、頭の中の理想に固執しすぎず、積極的に試着し、自分に似合うデザインを探すようにしましょう。

サイズに関しては、「むくみがちな体質だから」と不安になって大きいサイズを選ぶ方がいますが、紛失のリスクを減らすには、購入時にぴったりくるものを選んでおくのがベストです。「むくんでいるときは無理に着用しない」という選択肢もありますし、購入後にサイズ直しのサービスを用意しているブランドも少なくありません。心配な方は、アフターサービスも確認してから購入を決めるようにしましょう。

友達の意見や世間の情報に流されすぎない

結婚指輪を購入する際は、友達の意見や世間の情報に流されないよう注意が必要です。例えば、「友達は〇〇のブランドだったから同じが良い」「平均価格以下は許せない」などとこだわりすぎると、パートナーの意向を無視して暴走してしまい、喧嘩に発展してしまうケースも否めません。それでは本末転倒なので、「ふたりが幸せになるために選ぶ結婚指輪」であることを忘れず、パートナーと足並みを揃えて、一緒に決めていくのがベストです。

仮に予算に限界があっても、オリジナルの刻印や、セミオーダー・フルオーダーといった方法によって、思い入れのある結婚指輪に仕上げていくことも可能です。ふたりでよく相談して、幸せな思い出となる購入過程になるよう心がけていきましょう。

結婚指輪の費用負担と納期について

結婚指輪の購入に際しては、お互いの費用負担、そして納期のことで悩む人もいます。ここでは、費用負担と納期についてご紹介します。

費用負担

結婚指輪を購入する際の費用負担は、「どちらか一方が全額支払う」「折半する」「お互いに贈り合う」「ふたりで貯めた結婚資金から支払う」が挙げられます。

どちらか一方が全額支払う

結婚指輪はふたりで身に着けるものですが、「自分がパートナーに贈りたいから」「婚約指輪を購入してくれたから結婚指輪は自分が購入したい」などの理由により、どちらか一方が全額を負担するケースは少なくありません。パートナーの貯金から全額を出してもらうと経済的に負担がかかってしまうので、ふたりで話し合ってから決めることが大切です。

折半する

結婚指輪の費用をふたりで折半するケースもあります。折半といっても、例えばふたり分の結婚指輪の購入金額が20万円だった場合、お互いに10万円を出すカップルもいれば、どちらかが多めに出すカップルもいます。結婚指輪を折半で購入するのであれば、きれいに割るのか、一方が多めに出すのかも話し合って決めるようにしましょう。

お互いに贈り合う

結婚指輪をお互いに贈り合うケースもあります。ただし、選ぶ素材やデザイン、リングの幅、ダイヤモンドの有無・数などによって結婚指輪の価格が異なり、金額に差が出ると「自分のほうが多めに支払っている」と不満を与えてしまいかねません。そのため、お互いに贈り合う場合は事前に予算を決めておき、設定した金額の範囲内で購入するようにしましょう。

ふたりで貯めた結婚資金から支払う

結婚指輪を購入する際、ふたりで貯めた結婚資金から支払うカップルもいます。この場合、ふたりの貯金なので「自分だけが多く支払っている」と不満を抱えることがありません。ただし、結婚資金は今後の生活費用や結婚式代、新婚旅行代なども含まれているので、使い過ぎないように注意が必要です。

納期

検討時期が遅くなり、好きな結婚指輪を選べなかった……というのも、カップル間で起こりやすい問題のひとつ。結婚指輪が必要な時期までに手元に届くようにするためにも、オーダー方法による納期の違いを把握しておくと安心です。

既製品は当日〜1週間程度で受け取れる

デザインが既に完成している既製品は、最も短期間で入手できる方法です。通常はサイズ調整の期間があり、購入から1週間程度で受け取れるのが一般的ですが、サイズの在庫が店頭にあり、刻印なども入れない場合は、当日に持って帰れる可能性もゼロではありません。「お急ぎの方向けの商品」を用意しているブランドもあるので、検討してみると良いでしょう。

セミオーダーは1〜2ヵ月程度要する

プロが作ったデザインをベースにしつつ、一部自分たちのオリジナリティを加えられるのが、セミオーダー。デザインの内容やショップによっても異なりますが、注文から1~2ヵ月程度かかると見ておきましょう。「ゼロからデザインに意見する自信はないけれど、自分たちらしさにこだわりたい!」というカップルに人気のオーダー方法です。

フルオーダーは2〜6ヵ月程度要する

デザイナーさんに希望を伝え、いちからデザイン画を起こして作っていくスタイルが、フルオーダー。世界にたった一組だけの指輪を作れるのが最大のメリットですが、納期は最低でも2ヶ月以上、中には半年程度かかるケースもあります。時間に余裕があれば、検討してみると良いでしょう。

刻印は2週間程度

上記いずれの購入方法でも、ふたりにちなんだ文字や数字などを刻印することは可能です。こちらは2週間程度で受け取れるので、「時間がないけれどオリジナリティを出したい」という場合はぜひ検討してみると良いでしょう。結婚記念日やイニシャル、ひと言メッセージなどの刻印が人気です

(参考)結婚指輪×刻印でさらなる特別感を演出!バリエーション豊富な刻印例をご紹介

まとめ

以上、結婚指輪を選ぶ上で知っておきたい情報を、広くご紹介しました。一生に何度も購入することはないので、自分たちの手に最高に似合い、着け心地も良く、かつ特別な思い入れを感じられる指輪を選びたいもの。これから結婚指輪を購入する方は、ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、自分たちに合った指輪を探してみてください。

更新日時:2023.04.28