結婚指輪は他のジュエリーと違い、毎日かつ長期に渡って身に着けていくもの。そのため、シンプルなデザインが選ばれるケースが、とても多いです。しかし中には、「素敵なデザインがたくさんあるのに、シンプルなものを選んで後悔しないかな」「自分たちが一番気に入るものを選びたい」と思っている方もいることでしょう。この記事では、シンプルなデザインの結婚指輪の魅力や、細部のこだわりが光るシンプルなデザイン例をご紹介します。

シンプルな結婚指輪が好まれる理由

最新の調査によれば (※1)、結婚指輪を決定する際に重視した点(複数回答)として「シンプルで清楚なデザインであること」を選んだ人は、65.6%。圧倒的に多い項目となっています。続く2位にも「流行り廃りのないデザインであること」(32.9%)という項目が続き、多くの人が普遍的でスタンダードなデザインを望んでいることが分かります。

その他の項目としては、「重ねづけができるデザインであること」(30.9%)、「細身のデザインであること」(22.2%)なども比較的多く票を集めています。

それに比べると、「華やかさ豪華さがあるデザインであること」(8.9%)、「キュートで可愛いデザインであること」(7.2%)、「男性的なデザインであること」(3.6%)といったデザイン性に関する項目は比較的少数にとどまっており、優先する人が多くないことが分かります。

大半の人が重視する“シンプル”なデザインの指輪の魅力は、どんなところにあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

・時代や年齢を問わず、身に着けやすい

「どんな時代、どんなファッション、どんな年齢の手にも合うように」という着ける人の期待に応えてくれる点は、シンプルなデザインの大きな魅力です。

年齢を経るごとに、手の質感やファッションのテイストは少しずつ変わってくるのが常。一般的に、華奢なデザインや繊細なデザインは若い人に似合いやすく、年齢を重ねた人には多少厚みのあるリングや、ゴージャスなデザインの指輪が似合いやすい、といった傾向があると言われています。

「今は気に入っていても、何十年も着用していくと考えると、トレンド性が強いデザインは心配」という方もいるでしょう。シンプルなデザインは普遍性が高いので、そういった点でも安心です。

・重ね着けを楽しめる

シンプルな結婚指輪を選んでおくと、さまざまなリングと重ねづけしやすい、という良さもあります。最近は婚約指輪を普段使いする人も増えていますし、結婚指輪はシンプルなデザインにしておいて、婚約指輪で凝ったデザインを選ぶ、というのも良い方法です。華やかさや個性を楽しみたい、という人は、重ね着けを前提に検討してみるのもおすすめです。

・TPOを問わず着用できる

結婚指輪はファッション用のジュエリーと異なり、職場や冠婚葬祭など、あまり華美な雰囲気のジュエリーがよしとされない場でも着用するものです。シンプルなデザインであれば、ファッションやTPOを問わずに着用しやすいので、こういった点からも好まれる傾向があります。

ただ「職業柄、仕事中は指輪自体が着用できない」という人もいるので、職場での着用を前提とする必要があるかどうかは、事前に確認しておくといいでしょう。下記リンクもご参考ください。
 
結婚指輪って職場でどうしてる? 仕事中のマナーや選ぶ際の注意点まで幅広く解説
 

・ケアやトラブルの心配が少ない

凝ったデザインや立体的なデザインのリングも、着用する上ではとても素敵ですが、うっかり硬いものにぶつけて装飾が取れてしまったり、細かな装飾の隙間に汚れが溜まってしまったりすることも。普段から慎重に扱い、定期的にケアやメンテナンスを行う必要が出てきます。

結婚指輪は毎日長い時間、着用するものなので、なるべくそういったトラブルやケアの心配がないものを選びたい、という人が少なくありません。そういった点からも、シンプルなデザインが好まれる傾向があります。

(※1)「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」より

シンプルな結婚指輪に人気の素材は?

 

同じシンプルなデザインでも、素材によっても指輪の印象はかなり違います。デザインがシンプルだからこそ、素材にこだわって選んでみるのもおすすめです。ここでは、代表的な素材についてご紹介します。

<プラチナ>

プラチナは、男女ともに8割以上が選んでいる(※1)、結婚指輪として最も人気がある素材です。黒ずみが出たり変質したりしにくいため、日常使いに適していることも大きな理由。重厚感があり、貴金属としての希少性も高いので、高級感も抜群です。

美しい白銀色で透明のダイヤモンドとの相性もいいため、結婚指輪だけでなく、婚約指輪でも人気の素材です。加工しやすい柔らかさと、宝石をしっかり留めることができる粘り強さの両方を備えています。

また結婚指輪のように毎日身に着けるジュエリーは「強度」が必要になるため、他の金属を混ぜて硬度を高めているのが一般的です。プラチナ自体は金属アレルギーを引き起こしにくい素材ですが、配合されている金属の種類によっては稀に反応する人もいるので、心配な場合は、必ず購入前に確認しておくようにしましょう。
 
結婚指輪の素材に関するお悩みを徹底解決!選ぶポイントや「夫婦別の素材にしてよいのか」など幅広く解説
 

<イエローゴールド>

プラチナに続いて人気なのが、ゴールドです。イエローゴールドはその代表格で、華やかで、かつカジュアルな雰囲気を備えた素材です。日本人の肌色になじみやすく、かつ色々なファッションに合わせやすいため、男女で比べると、女性からの人気が高いのも特徴です。

プラチナと同様、ゴールドもその他の金属を配合することで、硬度を高めているものが主流です。ゴールドの純度によって<24K、18K、14K、10K>などの種類がありますが、しっかりとした硬度があり、かつきれいな状態を長く保ちたい場合は、変色しにくく強度もある<18K>あたりがおすすめです。

ゴールド自体は金属アレルギーを引き起こしにくい素材ですが、そのほかの金属に反応してしまう人もいるので、心配な人は、ゴールドの純度が低いものは選ばないのが安心です。含まれている金属の種類についても、購入前に確認しておきましょう。

<ピンクゴールド>

幸福感を感じさせるピンクのカラーで、結婚指輪としても近年人気が高まっているのがピンクゴールドです。キュートで愛らしい雰囲気が出るので、特に女性に人気が高いです。

ピンクの色味は、「銅」を多く混ぜることで作られています。そのため、ピンクゴールドの指輪は「強度がとても高い」というメリットがありますが、その分、細かいデザインやサイズ調節などが難しくなる場合もあります。リサイズを考えている場合は、購入前に確認しておくといいでしょう。

また、銅は硫黄の成分で変色しやすい性質があるため、プラチナやイエローゴールドに比べると、普段使いには注意が必要です。変色してしまった場合は、ジュエルクリーナーで汚れを落とすか、購入したショップにメンテナンスに出す必要があります。金属アレルギーの留意点については、イエローゴールドと同様です。

<ホワイトゴールド>

ゴールドに銀やパラジウムやニッケルなどを加えることで、プラチナに近い白銀の色合いを出しているのがホワイトゴールドです。プラチナよりも軽い上に強度もあり、価格もプラチナより手ごろなので、予算を抑えつつ、デザインや装飾を豪華にしたい場合に重宝される素材です。

ほとんどのホワイトゴールドは表面にロジウムコーティングを施し、美しい白銀色に仕上げています。そのため長期間利用していると剥がれてきて、ベースの金色が見えてしまうこともあり、その場合は購入したブランド等で、メンテナンスや補修をする必要があります。

また「白」の色味を出すために割り金として用いられるパラジウムやニッケルは、金属アレルギーを引き起こす可能性のある素材です。アレルギーを持つ人は、注意して選ぶ必要がある素材と言えるでしょう。
 
ゴールドの結婚指輪(マリッジリング)の魅力とは?華やかさやスタイリッシュさが売りのゴールドの魅力からプラチナとの比較まで幅広く解説
 
(※1)「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」より

シンプルな結婚指輪のデザイン例

結婚指輪によく使われる素材の特徴を理解したら、最後はシンプルなデザインを選ぶ際のポイントについて知っておきましょう。

(A) ストレート

指輪のラインが直線的な形状をしているデザインです。性別や年齢を問わず着用しやすい、もっともオーソドックスなデザインですが、幅の太さ、装飾の度合い、断面の形状(丸型、平打ち、平甲丸など)などで、個性を持たせることも可能です。

幅の太さは、女性であれば2.0mm、男性であれば2.5mmを基準とするといいでしょう。それよりも細いと華奢で上品な雰囲気になり、太いと存在感が増してきます。

ストレートはアクセサリーやジュエリーに慣れていない人でも、抵抗なく身に着けやすいですが、特に細長い指を持つ人に似合うデザインだと言われています。

(シンプルなストレートデザインの例)
ホライズン
ウィズ
アプローズ

ストレートの結婚指輪一覧

(B) V字

名前のとおり、指輪のラインに1カ所、V字の切り込みがあるデザインです。これがあることでスタイリッシュな雰囲気や個性を持たせることができ、指を長く美しく見せてくれる効果も生まれます。

切り込みの角度によって、印象はかなり異なります。角度が浅いほど優雅でやわらかい雰囲気に、角度がシャープになるほどデザイン性や個性が強いものになります。

またV字デザインは、センターダイヤモンドがあるタイプの婚約指輪と重ね着けした際に、非常にバランスが良くなります。婚約指輪との重ね着けを前提にデザインを選びたい人は、V字ラインの結婚指輪も検討してみるといいでしょう。

(シンプルなV字デザインの例)
エコー
ベルビュー

V字の結婚指輪一覧

(C) S字/ウェーブ

指輪のラインが、なめらかに波打っている形状をしているのがS字(ウェーブ)です。指輪全体がやわらかくうねっているデザインもあれば、指輪の一部をねじったような、ひねりが入っているデザインもあります。

女性らしいイメージがありますが、曲線的なラインがやわらかく指に馴染み、やさしい印象を与えてくれることから、男性にも数多く選ばれています。指を美しく見せる効果もあるため、指が太い人や指が短い人、関節が目立つ人にも人気が高いです。

(シンプルなS字デザインの例)
レイチェル
グラマシー

S字・ウェーブの結婚指輪一覧

まとめ

シンプルな結婚指輪をメリットはたくさんありますが、最も重要なのは、「自分たちにぴったり合ったシンプル」を選ぶこと。「シンプル=余分な装飾がないこと」を意味しますが、どのくらいがちょうどいいと感じるかは人それぞれ違います。「シンプルが絶対に良いのだろう」と思い込んで、後から物足りなさを感じてしまえば本末転倒ですよね。

ブライダルジュエリーショップには、シンプルでありながら、「宝石のある指輪を選びたい」「多少は個性があるものがいい」といった気持ちに応えてくれる、細部にこだわったデザインもたくさん出ています。二人が心から気に入る“シンプル”な結婚指輪を選んでくださいね。

更新日時:2022.06.06