結婚にまつわる言い伝えには、様々なものがあります。たとえば「ジューンブライド」がそのひとつです。これは「6月の花嫁は幸せになれる」という言い伝えですが、なぜ6月なのか、その理由をご存じの方は決して多くないのではないでしょうか?
また、ヨーロッパに伝わる幸せのおまじない「サムシングフォー」も広く知られていますが、詳しく理解している方は少ないはず。
そこで今回は、ジューンブライドとサムシングフォーに焦点を当て、これらの起源や由来についてご紹介します。結婚式を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
結婚式を6月に挙げる理由とは?ジューンブライドにまつわる言い伝え
ジューンブライドとは、「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」という言い伝えのこと。その由来には諸説ありますが、中でも有力な説には結婚の女神が関係しています。
ギリシャ神話の結婚を司る女神ユノ(英語名ではJuno)は、主神ユピテルの正妻。結婚のほか、出産や育児の象徴でもあり、女性や子どもの守護神として崇められています。そんなユノは、6月の守護もしています。これらの点から、6月に結婚式を挙げる花嫁はユノの祝福を受けて幸せになれるという言い伝えが広がりました。
ジューンブライドの由来はほかにもあり、たとえば「ヨーロッパにおいて、6月は1年の中でもっとも気候が安定している」というもの。ヨーロッパの多くの国では、6月は降水量が少なく、気候が安定している時期とされています。そのため、各地で復活祭などのお祭りも行われ、楽しいムードが漂います。こうした街の雰囲気が結婚式にふさわしいとして、6月に結婚式を挙げるようになったといわれています。
欧米に伝わる幸せのおまじない!「サムシングフォー」とは
サムシングフォーとは、ヨーロッパとアメリカに伝わる結婚式にまつわる風習のひとつ。イギリスの童話「マザー・グース」に出てくる「Something old(サムシングオールド)」「Something new(サムシングニュー)」「Something blue(サムシングブルー)」「Something Borrowed(サムシングボロー)」を結婚式の際に身に着けることで、幸せな結婚生活を末永く送れるといわれています。
Something old(サムシングオールド)
サムシングオールドは、「何か古いもの」を指す言葉。「先代から続く幸せを受け継ぎ、末永く結婚生活が続きますように」という意味が込められています。
サムシングオールドとして用意するアイテムは、先祖代々伝わるものや祖母または母親が使っているものが一般的です。母親から譲り受けたジュエリーや姉が結婚式の際に使用したヴェールなどを身に着けてみてはいかがでしょうか?
Something new(サムシングニュー)
サムシングニューは、「何か新しいもの」を指す言葉。「結婚生活において何らかの苦難に陥ったとき、乗り越えられるように」という意味が込められています。
サムシングニューとして用意するアイテムは、新しいものであれば何でもOK。たとえばドレスやヴェール、パンプスなど結婚式のために用意したの新しいアイテムも立派なサムシングニューとなります。
Something blue(サムシングブルー)
サムシングブルーは、「何か青いもの」を指す言葉。聖母マリアを象徴する色であり、「純潔」を意味することから、「これからの人生を共に生きる男性への忠誠を表す」という意味が込められています。
そんなサムシングブルーのアイテムは、欧米では人目につかない場所に着用するのがよいとされています。そのため、ガーターベルトに青色のリボンを着けるのが一般的なのだそうです。日本では、ブーケに青色のリボンを使用したり、ティアラやリングの内側に青色の宝石をあしらったりするのが人気です。
Something Borrowed(サムシングボロー)
サムシングボローは、「何か借りたもの」を指す言葉。すでに幸せな結婚生活を送っている先輩夫婦のアイテムを借りることで、「幸運を分けてもらう」という意味が込められています。
サムシングボローとして用意するアイテムは、一般的に両親や兄弟、友人夫婦から借りることが多いようです。アクセサリーやハンカチ、ヴェール、グローブなどを借りて、幸せをお裾分けしてもらいましょう。
ぜひご参考に!サムシングブルーの取り入れ方3選
サムシングフォーの中でも、サムシングニューとサムシングブルーは自分たちで準備しなければなりません。サムシングニューは結婚式当日に着用するドレスやヴェールで対応できますが、サムシングブルーはなかなか難しいことも。そこで、以下にてサムシングブルーのおすすめの取り入れ方を3つご紹介します。
青色のパンプスをチラ見せ
結婚式当日に着用するパンプスを青色にしてみてはいかがでしょうか? 純白のウェディングドレスから見え隠れする青色のパンプスは、何ともおしゃれ。ハイセンスなウェディングコーディネートに仕上げることができます。もちろん、サムシングブルーはもっと大胆に取り入れてもOK。たとえば、ウェディングドレスそのものを青色にしても問題ありません。反対に「もっと控えめに取り入れたい」という方は、ジュエリーに青色を取り入れるのも素敵です。
青色のヘッドドレスで鮮やかなヘアスタイルに
結婚式の主役は、言わずもがな新郎新婦です。思い切り目立ちたいのであれば、青色のヘッドドレスを大胆にセッティングしてみてはいかがでしょうか? ゲストにとって新婦が着用するウェディングドレス、そして新婦のヘアスタイルは注目ポイントのひとつ。サムシングブルーを意識した青色のヘッドドレスを使えば、ゲストの期待に応えられるおしゃれなヘアスタイルに仕上がるはずです。
会場に青色を取り入れるのもアリ
自らのウェディングコーディネートにこだわりがあり、「青色はちょっと……」という場合は、会場の装飾に青色を取り入れてみてはいかがでしょうか? 青いお花、青いリボン、青い風船といった装飾アイテムをバランスよく取り入れることで、サムシングブルーの意味合いを込めた会場に仕上げることができます。
ただし、会場の装飾については新郎新婦の一存では決められないことがほとんど。もし、会場に青色の装飾を取り入れたいのであれば、あらかじめウェディングプランナーに相談しておきましょう。
他にもある!幸せになるジンクスが込められたアイテム&演出
ジューンブライドとサムシングフォーの他にも、結婚にまつわる言い伝えはたくさんあります。気に入ったものを取り入れて、幸せを引き寄せましょう。
ラッキー6ペンス
イギリスの言い伝えで、新婦の左の靴に6ペンスコインを入れると幸せになれるというもの。現在、6ペンスコインは発行されていませんが、ラッキーアイテムとして流通しているそうです。
ファーストバイト
ウェディングケーキ入刀のあと、夫婦ふたりでケーキを食べさせ合う欧米の儀式。お互いに「ずっと食べさせてあげます」という意味が込められています。
ブーケトス
新婦が後ろ向きになりブーケを大空へ投げる儀式。受け取ったゲストは次に結婚できるという言い伝えがある幸せな演出です。
シークレットシュガー
新婦の左の手袋に砂糖菓子をしのばせ、結婚式の間、誰にも気付かれなければ甘い結婚生活が送れるというおまじないです。
シャンパントースト
新郎新婦が腕を絡ませ、シャンパンで乾杯する儀式。グラスを重ねたとき時に鳴る音が悪魔を遠ざけ、ふたりに幸せをもたらすという言い伝えがあります。
幸せをもたらす言い伝えを考慮してみては?
結婚式は、新郎新婦にとって一世一代の特別なイベントです。今回ご紹介したジューンブライドとサムシングフォーは、いずれも夫婦となり足並みをそろえて人生を歩むふたりに幸せをもたらす言い伝えです。「結婚式をいつ挙げようか迷っている」「どういうウェディングドレスにしようか悩んでいる」というのであれば、これらの言い伝えを考慮して決めてみるのもよいかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
更新日時:2020.12.18