生涯をともに歩んでいく誓いを込める婚約指輪には、自分たちだけのオリジナル刻印を入れることができます。本コラムではどんな刻印を入れるといいのかに悩まれている方に、刻印内容のヒントとなるさまざまな実例をご紹介します。刻印を入れる際にはいくつかの注意点もあるため、刻印を入れる前に確認しておきたいことも含めて詳しく解説します。
婚約指輪の刻印例
まずは婚約指輪の人気の刻印例を、タイプ別にご紹介します。
イニシャルや名前、日付
刻印内容の王道は、「記念日」そして「イニシャルや名前」です。プロポーズの日にちや自分たちのイニシャルや名前を入れておけば、世界にひとつの婚約指輪とすることができます。日付を見ればプロポーズの思い出が蘇るきっかけにもなりますし、名前を入れておけば、万が一紛失することがあっても、自分のものだとしっかり確認でき、周囲にも証明できるメリットもあります。
・R to M
・RYO & MIKI
・Dear MIKI
・R♡M 2022.1.22
・22.1.11 M to R
・Jan 2022 to MIKI
・Jan 2022 from R to M
・11th Jan 2022
引用元:ANELLI DI GINZA
・外国語の文例(英語、フランス語、ラテン語など)
婚約指輪は想いを込めて贈る指輪。プロポーズのときの言葉や、結婚を決めたときの思いをメッセージとして刻印しておくのも一案です。
<相手に贈りたいメッセージ>
・with you(あなたと共に)
・with you always(いつもあなたと共に)
・stand by me(わたしの側にいてください)
・stay with me(わたしと一緒にいてください)
・Get Along Together(いつまでも仲良くいよう)
・I treasure you(あなたはわたしの宝物です)
<不変の愛を誓うメッセージ>
・everlasting love(永遠の愛を)
・True Love(真実の愛)
・forever love(永遠の愛)
・Be Loved(最愛の人へ)
・Sweet Heart(愛する人へ)
・All My Love(すべての愛を込めて)
・Only Love(唯一の愛を込めて)
刻印は基本的に指輪の内側に入れるため、着脱時にふたりだけが見られる秘密のメッセージになりますが、もう少し秘密めいた、簡単に読み取られないメッセージがいいという方は、英語以外の言語も検討してみましょう。ふたりで行った旅行先や出会いの地など、思い入れのある国がある場合は、その国の言葉で刻印をしてみるのもおすすめです。
【フランス語】
・Pour Amour (愛を込めて)
・Pour Toujours (永遠に)
・Vrai Amour (真実の愛)
・Tous les deux (いつもふたりでいましょう)
・toujours avec toi (いつもあなたと一緒に)
・Por Tous Jours (いつまでも)
【イタリア語】
・Ti amo (あなたを愛しています)
・Amato(最愛の人)
・Solo te(あなただけ)
・Per sempre(永遠)
・Vero Amore (真実の愛)
・Ti Adoro(深く愛しています)
・Resta semper con me(いつも私と一緒にいてください)
【スペイン語】
・Te amo (あなたを愛しています)
・Esperanza (希望)
・Mi Tesoro(私の宝物)
・Amor eterno (永遠の愛)
・Amame siempre (いつも愛して)
・Necesito tu amor(あなたの愛が必要です)
・Caminando juntos(これからの人生をともに歩もう)
【ラテン語】
・Te tuebor (貴女を守ります)
・Sic infit(物語の始まり)
・In aeternum(永遠に)
・Semper Amemus(いつも愛しています)
・Ad multos annos(末永く未来へ)
・emper amemus (どんなときも愛し合おう)
【ハワイ語】
・MEA NUI (最愛の人)
・MAULOA (永遠)
・NAU KOU ALOHA (私のすべてをあなたに)
・ME KE ALOHA(愛を込めて)
マークや記号
かわいらしいメッセージが好きな方は、ハート(♡)や星(☆)のマークをイニシャルや日付と組み合わせて使うのも一案です。中には、シンプルにマークだけを刻印する人も。さりげなく特別感ある印象に仕上がります。
婚約指輪に刻印を入れている先輩カップルの割合
あるアンケート調査(※1)によれば、婚約指輪に刻印を入れた人の割合は、63.7%。刻印を入れている人のほうが多いことがわかります。刻印を入れた人、入れなかった人たちは、どのような理由でその決断をしたのでしょうか。アンケートに挙がった意見のほか、よく聞かれる意見も併せてご紹介します。
刻印を入れた派
・婚約時の思いを残しておきたかったから
・愛着を感じられる指輪にしたかったから
・プロポーズした日付を忘れないために
・紛失や盗難のときに証明になるから
・オーダーメイドにする余裕がなく、せめても特別感を出したかったから
・購入時に限り、刻印のサービスが無料で、せっかくなので入れてみようと思ったから
刻印を入れなかった派
・細いデザインの指輪のため、刻印をしても見えづらかったから
・定型文やイニシャルしか刻印できないお店だったから
・刻印のサービスが無料ではなかったから
・結婚指輪のほうに刻印をしたから
・サプライズで贈ったので、相手が刻印を気に入るかどうか分からなかったから
(※1)「結婚スタイルマガジントレンド調査2019」(入籍5年以内の男女各500人を対象、2019年1月調査)
婚約指輪に刻印を入れる場合の期間と料金
刻印にかかる期間について
刻印をするためには、そのための加工期間を見ておく必要があります。シンプルな刻印であれば、1〜2週間程度を目安にするといいでしょう。婚約指輪の注文と同時に刻印を頼んだ場合は、指輪の製作期間にも左右されます。サイズの微調整と併せてであれば1〜2週間程度で受け取れるところが大半ですが、デザインや宝石に調整を加えるセミオーダーメイドなどは、1〜3ヶ月かかることもあるので注意が必要です。
「両家の顔合わせに間に合わせたい」など納期の希望がある際は、ブランドやショップに相談してみるといいでしょう。店舗に工房が併設されているところなどであれば、即日や数日程度など短納期で刻印をしてくれることもあります。
また婚約指輪の場合、プロポーズの際にサプライズで贈られるケースもあるでしょう。最初から刻印を入れて贈られる場合もあれば、プロポーズの成功後、サイズの調整などで店舗に出向いた際に刻印を入れる人もいます。近年はふたりで一緒に婚約指輪を買いに出かけるカップルも増えており、その際に刻印を入れる人は少なくないようです。プロポーズ成功後、ふたりで刻印メッセージを考える過程も楽しめそうですね。
刻印にかかる料金について
婚約指輪を販売するブランドやショップでは、刻印サービスを無料で提供しているところもあります。ただし、特殊な文字や字体を使う場合や刻印内容が複雑で手間を要する場合などは、追加料金が発生することもあるので、事前に購入予定のショップやブランドに確認しておくといいでしょう。
婚約指輪に刻印できる文字数やデザイン
刻印できる文字の数は、リングのデザインやサイズによって制限があります。ダイヤモンドのカラット数(0.2ctなど)や、素材の情報(Pt900、K18など)、ブランドのマークなど、品質を証明する刻印はマストで入ることになり、ダイヤモンドをあしらう場合には、光を通すための穴を開けるスペースも空けておくことも必要です。リングの全周に刻印できるわけではない、ということは理解しておきましょう。
サイズ
指輪は小さいサイズになるほど円周が短くなるので、比例して、刻印できる文字数も少なくなります。たとえば、本サイトを運営するラザールダイヤモンドであれば、エンゲージリングの場合、<リングのサイズ(号数)+5文字まで>は刻印可能としています。9号のリングであれば、14文字、10号のリングであれば15文字となります。
オプションについて
刻印するメッセージは入念に検討したい方も多いはず。「減らしてください」と言われて再検討しなければならない事態を避けるには、刻印できる文字数は、購入予定店舗で事前に確認しておくのがベターです。指が細く指輪の号数が小さい人は、長文の刻印は難しい可能性が高いことも心得ておきましょう。
リング幅
指輪に刻印を入れる場合は、ある程度の幅も必要です。2.0mm前後の華奢なデザインのものの場合は、刻印できないケースもあります。デザインを選んだ後に「刻印は入れられない」となってしまえば、刻印を諦めるか、デザインを選び直すかの二度手間になってしまいます。刻印の心づもりがある場合は、先に刻印可能な幅のデザインを選びたい旨をお店の人に伝えてから、選んでいくといいでしょう。
光穴
ダイヤモンドをあしらう指輪では、周囲の光を採り入れてキラキラとした輝きを作り出せるよう、アームに「光穴」が開けられているケースがあります。光穴があるリングの場合、刻印ができない可能性もあるので、デザインを選ぶ前にお店の人に確認しておきましょう。特にエタニティリングのような、隙間なくダイヤモンドがあしらわれているデザインには注意が必要です。
デザイン
刻印を素敵に仕上げるには、あまり文字を詰め込みすぎないのがコツです。インテリアのデザインなどでも、センスよく仕上げるには「余白」が重要。スペースを残しておくと、将来リサイズをすることになった場合にも調整がしやすいですし、結婚記念日のたびに刻印を一文字ずつ増やしていく、なんて楽しみ方をすることも可能です。購入時以外の追加の刻印は無料ではないところもありますが、ロマンチックなことが好きなカップルにはおすすめです。センスよく仕上げたい気持ちがある方は、刻印の文字バランスについても、購入時にブランドやショップに確認しておくといいでしょう。
婚約指輪の刻印手法の種類と特徴
婚約指輪に刻印をするには、主に「レーザー刻印」と「手彫り刻印」という2つの手法があります。それぞれの方法や特徴についてご紹介します。
自由度が高く、精巧な刻印が可能な「レーザー刻印」
レーザー刻印は、最新技術を使って刻印をおこなう方法です。デジタルデータを機械に送り、レーザー機器が照熱する光で緻密な文字やデザインを刻印することができます。およそあらゆるフォントや図柄に対応でき、自由度が高いのが特徴。手彫りのような味は出せませんが、くっきりと読みやすい精巧な刻印に仕上げることが可能です。機械のセッティング自体は人の手でおこない、刻印後には職人の手で微調整や仕上げをおこなうこともあります。
熟練の技が光る「手彫り」
一方、アルファベットや数字の彫り型とタガネや金槌などを使い、職人の手で一文字ずつ打刻していく方法が、手彫り刻印です。丁寧に手作業で入れられた刻印は、手彫りにしか出せない風合いや温かみが出るのが特徴。2〜4mm程度の幅しかない指輪に、0.1mm以下の打刻をおこなっていく作業は、非常に高度な技術を要します。寸分のズレも許されない緊張感のなかで熟練工が1文字1文字確認しながら慎重に彫り進め、仕上げていきます。手作業のため刻印もこの世にふたつとないものとなり、「世界でひとつのオリジナルな婚約指輪に仕上げたい」というカップルに人気です。
婚約指輪に刻印を入れる際の注意すべきポイント
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刻印を入れる際には、幾つかの注意点もあります。「婚約指輪に入れたいメッセージがあったのに、結果的に入れられなかった」という事態にならないためにも、以下のようなことを事前に確認した上で、進めていきましょう。
購入予定店舗で、刻印が可能かを確認する
「婚約指輪を購入しようと思っているショップやブランドが、刻印のサービスをおこなっているかどうか」は重要なポイントです。刻印をおこなっていない場合、婚約指輪が完成して受け取ってから、刻印をしてくれる別のお店(金属加工の専門店など)を探して相談する必要があり、完成するまでの手間や時間がかかってしまいます。
「どうしてもこのブランドやデザインにしたい!」というこだわりがあるならば、その方法でも問題はないのですが、一番スムーズなのは、婚約指輪の注文と同時に刻印を入れて仕上げてもらう形。この流れを希望する場合は、刻印のサービスをおこなっているお店かどうかを事前に確認してから、指輪のデザインを検討するのがおすすめです。高品質な刻印サービスを受けたい場合は、ブライダルジュエリー専門ブランドを選ぶと安心でしょう。
刻印が可能な文字数について確認する
上述したとおり、刻印可能な文字数には制限があり、婚約指輪のサイズやデザインなどによっても異なります。制限文字数をオーバーしてしまえば、「絶対にこれを入れたい」と決めていたメッセージが入らない事態も起こり、残念な思いをする可能性も。
文字数を考える場合、空白も1文字にカウントされることは心得ておきましょう。たとえば、【Jan 2022 to MIKI】であれば、3つの余白を文字数にカウントする必要があり、総計は13文字ではなく、16文字のカウントとなります。特に注意したいのは、5号や6号など指輪のサイズが小さい方。ブランドにもよりますが、10文字前後しか入らない可能性が高く、文字数を絞る必要があります。
刻印できないデザインについて確認する
また上述したとおり、刻印を入れるためには指輪の内側部分に「幅」と「長さ」の両方が必要になります。婚約指輪には華奢な2.0mm~2.5mmの幅のデザインもあり、お店によっては刻印できないと言われる可能性がある旨、理解した上でデザインを選びましょう。また指輪の全周部分にダイヤモンドを埋め込んでいるエタニティタイプのデザインの場合も、確認が必要です。周囲の光を採り込んでダイヤモンドを輝かせるために「光穴」がたくさん入っているものが多く、刻印が難しいケースがあります。
リサイズをする場合の対応について確認する
婚約指輪はサプライズプロポーズに用いられることもあるため、購入後、サイズ調整にお店に出向くことも珍しくありません。また結婚後、何年も着用していくなかでは、リサイズが必要になる場合があります。リサイズをするには刻印の入っていない余白のスペースが必要になるため、ギリギリ限度いっぱいの文字数を刻印していると、リサイズのときに削れてしまう可能性があります。
刻印を追加で入れ直すことも不可能ではありませんが、「想いを込めて入れた刻印が削れてしまうのは、ちょっと縁起が悪い」と感じる人もいるはず。将来的にリサイズの可能性を感じる場合は、あらかじめその旨をブランドに相談しておき、余裕を持った文字数にしておけると安心です。
スペルミスや間違いがないか、入念に確認する
刻印を入れる際は、スペルミスや数字の間違いがないか、入念に確認しましょう。プロポーズの日付やイニシャルが間違っていれば、刻印は台無しになってしまうことも。特に英語以外の言語のメッセージに関しては、スペルミスに気づきにくい傾向があります。一生に一度の婚約指輪のため、間違いがないかは入念に、複数回に分けて見直しておきましょう。
万が一、間違った刻印をしてしまった場合でも、修正できる可能性はゼロではありません。職人さんの手で刻印部分の表面を削り取る、金属で埋める、といった方法で直せるケースもあるので、購入したブランドやショップに相談してみましょう。
ただし大幅に間違えてしまい、広い部分を削り取ることになると、リングのサイズやフィット感に影響が出てしまうこともあります。何度も修正を繰り返すことは推奨しませんが、間違った刻印のまま婚約指輪を贈ったり、着用したりするくらいならば、修正をしたほうがベター。一生に一度の想いを込めて贈る指輪なので、スッキリと気持ちよく着用できる指輪に仕上げておきたいですね。
まとめ
刻印は、“世界にひとつの婚約指輪”を贈りたい人におすすめのアレンジです。贈る人の愛を込めたメッセージを入れるのも素敵ですし、ふたりで相談して決めていく過程も、一生に一度の思い出になることでしょう。指輪を見るたびに婚約の瞬間を思い出せるような、すてきな刻印を検討してみてください。
更新日時:2024.07.17