結婚指輪は他のアクセサリーやジュエリーとは異なり、「愛の証として、常に肌身離さず着けておくもの」というイメージがありますよね。ただこれから結婚される方の中には、「24時間365日ずっと着けているものなの?」と疑問に思われる方もいるでしょう。結婚指輪を着けっぱなしにすることにはメリットもありますが、注意すべき点もあります。そこでこの記事では、結婚指輪を着けっぱなしにする上で知っておきたい情報について解説します。
結婚指輪を着けっぱなしにしている人の割合
結婚5年以内の夫婦を対象にしたアンケート(※1)によると、「結婚指輪を24時間、着けっぱなしにしている」と答えた人は、<50.2%(男性47.6%、女性52.7%)>となっています。
また同時期に行われた別の調査(※2)でも、結婚指輪を「毎日着けっぱなしで生活する」と回答した人は、全体の<49.1%>。異なる調査でもほぼ半分となっており、過半数の人が、24時間指輪を着けっぱなしにしていることが分かります。
またこちらの調査では、より細かい調査も行なっており、二番目に多かったのは「家の中では着けないが、外出時にはほぼ着ける」(16.1%)という回答。着けっぱなしにしている方々と合わせると、全体の<約65%>が「外出中は常に着用している」ということになります。
また中には、「仕事の都合等で着けられないため休日のみの着用」(11%)という人もおり、全体で見ると8割近くの人が、日常生活の中で結婚指輪を着用している実態が見て取れます。
(※1)「結婚スタイルマガジントレンド調査2019」(入籍5年以内の男女各500人対象、2019年1月調査)
(※2)株式会社キューによる調査(20歳〜39歳の既婚男女667名(男性333名、女性334名)を対象、2019年11月調査)
結婚指輪を着けっぱなしにすることのメリットとデメリット
結婚指輪を着けっぱなしにすることには、どのような良い点と注意点があるのでしょうか。それぞれご紹介していきます。
<良い点(メリット)>
・夫婦の絆や幸せを感じられる
結婚指輪は“二人の愛の誓いの証”として、お互いに贈りあうもの。「常に着けておくからこそ意味がある」と考える人もいることでしょう。指輪を見るたびに幸せや絆を感じられる点は、着けっぱなしにしておくからこそのメリット。結婚している社会的な証明にもなるものなので、着けないでいると、パートナーに余計な心配をかけてしまうこともあります。
実際に、ある調査によれば、「パートナーに結婚指輪を日常的につけて欲しいですか」と質問したところ、7割以上が「はい」(73.4%)と回答(※3)。その理由としては、「結婚した証だから」「幸せを実感する」といった声が挙がっています。
(※3)「結婚指輪の装着に関する調査」(男女875人(男性119名、女性756名)対象、2018年7月株式会社ウエディングパークによる調査)
・購入した意義を感じられる
また上述の調査では、「高い買い物をしたのに常につけていないのは勿体無い」という意見も。指輪の価格には幅がありますが、多くのカップルにとって安くはない買い物のはず。「大切にしまっておいて、特別なときにだけ着用する」というのもひとつの考え方ですが、たくさん活用してこそ購入した満足度も大きくなる、という考え方もできます。結婚指輪も毎日身に着けてこそ「やっぱり買ってよかった」と思える、そんな側面もあるでしょう。
・紛失や着け忘れのリスクを減らせる
紛失のリスクを減らせることも、着けっぱなしにしておく大きなメリット。指輪は着けたり外したりしているほうが、紛失のリスクが高まります。高価なもので、また二人にとって大切な指輪である分、「絶対になくしたくない」と考える人も少なくないかと思います。
「今朝、着けてくるのを忘れてしまった!」といった着け忘れのリスクも減らすことにもつながります。外出中、「あれ、どこに置いたかな……」と不安になる瞬間も減らせます。忘れ物やなくしものをしがちな性格の方は、「なくさないために、いつも着けておく」のは一案です。
<注意点(デメリット)>
・傷や汚れが付きやすくなる
一方、常時着用することのデメリットもあります。まずひとつに、指輪に傷が付いたり、汚れが溜まりやすくなったり、といったことが挙げられます。メンテナンスをしないで長期間着用していると、リングの輝きが曇っていったり、場合によっては変色したり、変形したり、といったことも起こりえます。
指輪を外している時間があるほうが、汚れや傷のリスクは軽減されます。購入時の輝きをきれいな状態で保ちたい、という方は、早め早めのメンテナンスを心がけ「一日の中で、外す時間帯を作る」という選択肢も検討してみるといいでしょう。
・衛生面について
衛生面が気になる方は、料理の前にはリングを外す習慣をつけるのもおすすめです。着脱の際、流し台に落としてしまわないように気を付けましょう。
結婚指輪を外したほうが安心なシチュエーション
着けっぱなしにすることのデメリットを減らしたい方は、「シチュエーションによって外す」のもひとつの選択です。ここからは、どのような際に外しておくと安心なのか、代表的なシチュエーションをご紹介します。
・料理や食器洗いをするとき
前項でもご紹介したとおり、料理中は指輪を外しておくのがベターです。指輪は水に濡らしても問題はありませんが、食器洗剤の成分によっては、金属を傷めることもあるので食器洗いをする場合は外しておくと安心です。
・入浴時や温泉にて
通常のお風呂に関して、指輪そのものは洗っても大丈夫ですが、メレダイヤモンドが付いているデザインの場合、隙間に石鹸や水垢が入り込んでしまう可能性もゼロではないので、外しておくことをおすすめします。
入浴剤を入れたり、本格的な温泉に入ったりするときも注意が必要です。結婚指輪の素材にもよりますが、入浴剤・温泉成分によって変色する場合があります。
指輪をしたまま入浴するメリット・デメリットなどの詳細についての記事を見る
・重たいものや硬いものを運ぶとき
引越など長時間、重い荷物を持つようなシチュエーションでは、結婚指輪が傷ついたり変形したりするリスクが高まります。庭仕事や大工仕事などで金属の工具に触る際も同様のリスクがあるため、あらかじめ外しておきましょう。
・スポーツをするとき
海やプールで泳ぐ際、海水成分や塩素で変色する可能性は低いものの、指輪は外しておいたほうが良いでしょう。他の人に当たって怪我をさせてしまうリスクがあるため、ジムや施設などでは、着用を禁止しているところも少なくありません。また万が一、水の中で紛失した場合、見つかる可能性が低くなります。
クライミングやゴルフ、テニスなど、手や指を強く握って行うスポーツも指輪に負荷がかかる可能性があります。ラグビーやバスケットボールなど、激しい接触プレーがあるスポーツの場合は、指輪に傷・変形のリスクがあるだけでなく、指輪自体が相手を怪我させてしまう危険もあるため、マナーとして外しておくのがおすすめです。
・手指消毒をするとき
昨今、頻繁に行なっているアルコール消毒は、プラチナやゴールド、ダイヤモンドなどに影響を及ぼすことはほぼないと考えられています。真珠や珊瑚などはアルコールで傷んでしまう可能性があるので、こうした宝石が付いている指輪の方は注意をしておきましょう。
着けっぱなしに向いている指輪とは?
View this post on Instagram
続いては、着けっぱなしをしたい場合に特に安心なデザインや、素材を選ぶ観点についてご紹介します。
<着けっぱなしに向いているデザイン>
着けっぱなしにもっとも向いているのは、装飾のないシンプルなデザインです。ブライダルジュエリーブランドの結婚指輪は、基本的に「着けっぱなしにすること」を前提に、デザインや耐久性に配慮してつくられていますが、シンプルなデザインは、トラブルやケアの心配がより少なくなります。シンプルなデザインの中でも、「圧迫感がなく、指に心地よく馴染むかどうか」といった着け心地や素材にこだわって選ぶとよいでしょう。
ただ最近は、小さなダイヤモンドをあしらっている、多少デザイン性のある結婚指輪を好む人も増えています。ダイヤモンドを留める爪のすき間に汚れが溜まりやすいかどうかは、留め方によっても、異なります。また立体的なデザインの場合は、うっかり硬いものにぶつけてメレダイヤモンドが取れてしまうリスクもあります。心配な方は「ダイヤモンドの留め方」にまで意識を向け、凸凹のないデザインに仕上げている結婚指輪を選ぶといいでしょう。
<着けっぱなしに向いている素材>
・プラチナ
結婚指輪の素材のなかでもっとも人気のプラチナは、着けっぱなしに向いている素材です。プラチナの指輪は変色・変質をすることは滅多にありません。プラチナの耐久性は、男女ともに8割以上の人に選ばれている理由のひとつにもなっています(※4)。
実は純度100%のプラチナは傷がつきやすく、変形しやすい素材なのですが、ジュエリーには強度や硬度を増す目的で、他の金属が混ぜられています。こうした加工により、プラチナの結婚指輪は着けっぱなしにも耐えうる、安定した耐久性を誇っています。
(※4)「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」より
・イエローゴールド
プラチナに続いて人気のイエローゴールドも、プラチナと同様、他の金属を配合することで硬度を高めており、その割合によって24K、18K、14Kといった種類があります。日本では<18K>が、結婚指輪に多く用いられています。
・ピンクゴールド
幸福感を感じさせる愛らしいピンクの色合いで、近年人気が高まっているピンクゴールド。愛らしい雰囲気から、特に女性に人気が高い素材です。ピンクの色味は、強度を誇る「銅」を多く混ぜて作られているため、一般的にはピンクゴールドの指輪は強度に優れていると言われています。
一方で、銅は硫黄の成分で変色しやすい性質があり、特に温泉や入浴剤には注意が必要です。そのため「着けっぱなしに向いているか」という観点で言えば、プラチナやイエローゴールドに比べ、やや劣ると言えますが、プラチナやイエローゴールドのリングであっても、汚れ・傷からリングを守るため、万が一ダイヤモンドが外れて紛失する可能性もゼロではないため、入浴時には外しておくことをおすすめします。
・ホワイトゴールド
プラチナに似た白銀のカラーが美しいホワイトゴールドも、結婚指輪で用いられる素材です。プラチナよりも軽くて強度もあり、かつ価格もプラチナより手頃という点で、重宝されてきました。
着けっぱなしにする際、意識したいこと
着けっぱなしによるデメリットをできるだけ抑えるためには、デザインや素材の選び方を留意することに加え、以下のような点を意識して着用するのがおすすめです。
・定期的にセルフメンテナンスをする
長期間、着けっぱなしにしていると汚れが溜まることは避けられないので、時々は外して、お手入れをするようにしましょう。汚れが溜まってきた、なんとなく色合いが曇ってきた……と感じるタイミングで行ってもいいですし、「月1回は柔らかい布で拭いておく」などとルール化しておくのもおすすめです。
定期的にお手入れをする習慣を作っておくと、指輪の状態やサイズ感も定期確認できます。傷や変形、歪みなどの発見も早まるので、良い状態を長く保っていくことにもつながります。
・お店のメンテナンスサービスを利用する
「定期的にプロのサービスを利用する」のも、着けっぱなし派の方におすすめのメンテナンス方法です。ジュエリーブランドの多くは、クリーニングのアフターサービスを行なっています。
当サイトを運営する「ラザール ダイヤモンド」でも、超音波洗浄機を用いたクリーニングを無料で行っています。リングのサイズ直しや傷や歪みの調整、ダイヤモンドのグラつきや留め直しなども行っており、幅広いアフターサービスを用意しています。定期的にメンテナンスに持参していると、購入時の輝きや状態を長く楽しむことができるので、ぜひ活用してみてください。
まとめ
以上、「結婚指輪を着けっぱなしにするかどうか」を検討する上で、役立つ情報をご紹介しました。
「着けっぱなしにするかどうか」については、パートナーの意向も確認しておくと安心です。結婚指輪に思い入れがあり、「毎日着けていてほしい」「常に着けておくのは当たり前」と考える人もいれば、「特に気にしない」「時々着けてくれたら満足」という考えの人もいます。
お互いが満足のいく形で着用していけるよう、本記事でご紹介した情報も参考に、ぜひ二人で話し合ってみてくださいね。
更新日時:2023.11.28