プロポーズの思い出を物語る婚約指輪。婚約指輪というと、中央にダイヤモンドを高く持ち上げた「ソリテールデザイン」や「プラチナ素材」のイメージが強いですが、最近は華やかでありながら日常使いしやすい「エタニティリング」を選択する人も増えています。またエタニティリングについては、ファッション性の高い「ゴールド素材」も人気が高まっています。そこで今回はゴールド素材の婚約指輪や、婚約指輪として選ぶエタニティリングの特徴や魅力について詳しく解説します。

婚約指輪の素材ランキング

婚約指輪で主流の素材とは?

一番ポピュラーな素材は、やはりプラチナ。2021年の最新の結婚トレンド調査でも(※1)、婚約指輪を購入した人のうち、85%が選んでいます。

2位はゴールド(10.3%)。イエローゴールドだけでなく、ホワイトゴールドやピンクゴールドも含んだ値です。3位のプラチナとゴールドのコンビネーション素材(1.9%)も合わせると、8人に1人(12.5%)が、ゴールド素材を含んだ婚約指輪を購入していることが分かります。

ここ5年の変遷を見ても、微増ながらもっとも高い値となっており、ゴールドの人気が徐々に高まっていることが分かります。

(※1)ゼクシィ 結婚トレンド調査2021調べ

またオーダーメイドの指輪に関しては、以下のようなランキングも。プラチナに次いで、さまざまなカラーのゴールド素材が支持されていることが分かります。

(先輩作品集に掲載された婚約指輪または結婚指輪から集計。期間:2019年1月1日~12月31日/株式会社鎌倉彫金工房調査

婚約指輪に使用される素材

ジュエリーはいろいろな素材を用いたものがありますが、婚約指輪で用いられている一般的な素材には、以下のようなものがあります。

【プラチナ】

プラチナは上品な白銀の輝きを放ち、透明なダイヤモンドとの相性とも非常に良い素材です。産出量がかなり少なく、希少価値が高い金属であることも、愛の証であるブライダルリングの素材として人気の理由です。和名では「白金」と呼ばれます。

【ゴールド】

ファッション性の高さから、海外では指輪の素材として一番人気です。カジュアルでもフォーマルでも合わせやすいだけでなく、安定した金属で錆びにくく変色にも強いので、扱いやすさの面でも優れています。プラチナほどの希少性ではないものの、こちらは資産価値の高い金属です。

また素材そのままでは黄金色ですが、他の素材と混ぜて色味を出したホワイトゴールドやピンクゴールドといった素材のバリエーションもあります。やわらかい素材のため、デザインバリエーションも豊富。色や造形によって幅広い雰囲気を演出できる点も、大きな魅力です。

ゴールドの婚約指輪について

ゴールド指輪の基礎知識を紹介

ここからは、ゴールドの指輪の知識をより詳しくご紹介していきます。

ゴールドの宝飾品としての歴史は非常に古く、紀元前3000年頃からジュエリーとして用いられてきました。やわらかい金属で、当時の技術でも加工しやすかったこともありますが、年月を経ても腐食しにくく、半永久的な輝きを放つこともジュエリー素材として愛されてきた大きな理由です。

ゴールドは豊かな財産や権威の象徴でもあり、王家など身分の高い人しか着用できない時期が長く続きましたが、19世紀のゴールドラッシュ以降は供給量が増え、一般層でも楽しめるジュエリーの素材として人気を博しています。

とはいえ有史以来、採掘されたゴールドの量は大きなプール4杯分ほど。1トンの金鉱石から数グラムしか採取できない上、地球上の残存量も限られていると言われています。価値が安定しているため貴金属資産としても人気が増し、近年はゴールドの市場価格はかなり高騰しています。ただジュエリーにする際は強度を高めるために他の金属を配合するため、配合割合によって価格帯の幅も広く展開でき、手頃に楽しむことができるジュエリーとして愛されています。

ゴールドの定義や指輪におすすめの規格は?

せっかく指輪としても用いるならば、配合物の割合が少ない「純金」の指輪がいい!と思う方もいるかもしれません。

しかし上述したように、ゴールドは非常にやわらかい素材のため、ジュエリーとして用いるには少々繊細すぎる難点があります。そのため指輪にする際は銀や銅、パラジウムなどの素材を配合することで硬度を高めているのが一般的です。

ゴールドの純度は24分率となっています。市場に出回っているアクセサリーやジュエリーの純度は、以下4つが代表的なものになります。

・ゴールド含有率100%=K24(24金)
・ゴールド含有率75%=K18(18金)
・ゴールド含有率58%=K14(14金)
・ゴールド含有率42%=K10(10金)

純度が高くなるほど強度が下がり、純度が低くなるほど、ゴールド本来の輝きが落ちてきます。ゴールド本来の輝きを楽しみながら、強度も十分にある婚約指輪を選びたいならば、もっともおすすめは【K18】です。

また、ゴールド自体は金属アレルギーを引き起こしにくい素材ですが、硬度を高めるために混ぜられている合金素材に反応してしまう人もいます。配合素材の種類にもよりますが、金属アレルギーが心配な方は純度が低いものは避けたほうがベター。アレルギーが出る素材が分かっている場合は、配合されている素材をお店に確認してみるといいでしょう。

ゴールドの婚約指輪の魅力は何?

続いて、ゴールドの婚約指輪が持つ魅力について見ていきましょう。

<1> 豊富なカラーバリエーションがある

上述したように、ゴールドの婚約指輪には、豊富なカラーバリエーションがあります。強度を高めるために配合する金属の種類や比率によって、かなり幅広いカラーを出すことができるためです。

近年はグリーンゴールドやシャンパンゴールドといった珍しいカラーも登場していますが、指輪に用いられるカラーとしてポピュラーなのは、「イエローゴールド」「ピンクゴールド」「ホワイトゴールド」の3種類。好きな色味や自分の肌色に似合う色味の指輪をチョイスできると、より満足度が高まりそうですよね。

<2> プラチナより価格を抑えられることも

ゴールドとプラチナはどちらも希少で高価な素材ですが、85%以上の高純度でなければ「プラチナ」と認められないため、婚約指輪でも90%、95%とかなり高比率に含まれた【Pt900】【Pt950】が使われています。一方、ゴールド素材の婚約指輪は、強度なども加味してゴールドを75%の割合で配合した【K18】がスタンダードです。

そのため、指輪になったときの価格は、プラチナ素材の指輪よりもゴールドの素材の指輪のほうが若干、価格が抑えられているケースが多いです。その分、ダイヤモンドの数を増やしたり、ダイヤモンドのグレードをアップできたり、と選択肢を広げられるのも嬉しいポイントです。

<3> 肌に馴染みやすいカラー

メイクやファッションの分野でも近年は、パーソナルカラーとの相性が注目されています。
肌色は大きく分けるとイエローベース、ブルーベースの2タイプがあると言われており、ゴールドは黄金色のため、特にイエローベースの方の肌色に似合いやすいと言われています。また、ピンクゴールドがとてもマッチする肌色の人もいます。

ブランドやショップによっても色合いは微妙に異なるので、ぜひ色々なカラーを試着してみて、自分の肌色や指の形に似合うゴールドを探してみてください。またゴールドは、日焼けした肌の人にも似合いやすいカラーです。

<4> 他の人とかぶりにくい

最初の項目でも紹介したとおり、婚約指輪を購入する人の8割以上はプラチナを選んでいます。そのため、「他の人とかぶらない婚約指輪がいい」「個性を出したい」という人にも、ゴールドはおすすめです。カラーバリエーションも含めると、選択肢が大いに広がるでしょう。

<5> 日常使いしやすい

気品で優雅な雰囲気のあるプラチナのジュエリーと比べると、ゴールドのジュエリーは華やかでファッション性が高く、ドレスなどのフォーマルな服装だけでなく、カジュアルな雰囲気にも似合う特徴があります。毎日のファッションにも取り入れやすいため、ゴールドの婚約指輪は「せっかく購入するなら、たくさん着用したい」「タンスの肥やしにしたくない!」という人にも、おすすめの選択肢です。

ゴールドの婚約指輪の色ごとの特徴

ここからは、ゴールドの代表的なカラー、イエロー、ピンク、ホワイトゴールド、それぞれの指輪の特徴を詳しく見ていきましょう。

イエローゴールド(YG)

イエローゴールドの婚約指輪は“ゴールド”の名前のイメージに違わぬ、華やかな黄金色が特徴です。カジュアルファッションにも映えるため、日常的に取り入れやすいだけでなく、合わせ方によってはラグジュアリーな雰囲気も演出でき、婚約指輪としての活用頻度はかなり広くなるはず。海外では、スーツやドレスなど、フォーマルなファッションに組み合わせている人も多く見受けられます。

ピンクゴールド(PG)

ほんのりとピンクがかった優しい輝きを放つのが、ピンクゴールドの婚約指輪。フェミニンな愛らしさがあり、シックな雰囲気もまとえるため、女性向けの婚約指輪としても人気の素材です。赤味は「銅」の成分に由来しているため、ピンクゴールドは他のゴールドよりも銅の比率が高くなっています。

ホワイトゴールド(WG)

ホワイトゴールドの婚約指輪はプラチナに似た、白く硬質な輝きが特徴。一般的にはパラジウムや銀を混ぜているため、十分な強度と耐久性がありながら、プラチナよりもかなり軽いため、ジュエリーとしても扱いやすい素材です。ホワイトゴールドはプラチナに比べると価格が抑えられますし、ほんの少しゴールドの黄色みがあるため、日本人の肌色にもマッチしやすいと言われています。

人気のゴールドの婚約指輪(エタニティリング)をご紹介

ゴールドの婚約指輪では、ダイヤモンドと組み合わせた輝きが華やかなイエローゴールドのエタニティリングのほか、近年はプラチナとのコンビネーションタイプも人気です。好みはもちろん、着用シーンや肌色との相性なども踏まえて検討してみるといいでしょう。

イエローゴールドのデザイン


【アプローズ】

【グレイシャス】

【ハイライン】

【アルバ(YG)】

【LD680YR】

プラチナとピンクゴールドのコンビネーション


【ウォーター リリー】

【カルミア】

ゴールドの婚約指輪のお手入れ方法と注意点

最後に、ゴールドのカラー別にお手入れ方法や注意点をご紹介します。

イエローゴールド(YG)

イエローゴールドの婚約指輪は、他のカラーのゴールドに比べると、メンテナンスに手間がかかりません。ジュエリーとして人気の【K18】素材などは耐久性が十分で、とても安定しています。変色や変質、傷がつく心配が少なく、ジュエリー用の布で拭くだけのお手入れで十分です。長期的に使用して少し色がくすんできた際には、購入ブランド等でメンテナンスをすれば、購入時の輝きを取り戻せます。

ただし、【K14】【K10】など純度が高くないイエローゴールドを用いた婚約指輪は、少し注意が必要です。配合されている金属素材が変色や変質をした場合、その影響が目に見えて現れてくることもありますので、【K18】などに比べると丁寧なメンテナンスが必要になることは心得ておきましょう。

ピンクゴールド(PG)

ピンクゴールドに含まれる銅は高強度な素材のため、指輪としては他のゴールドよりも硬質です。傷やショックには強いですが、一方でリサイズ調整などができないケースもあるため、気になる場合購入時に確認しておきましょう。

また銅は硫黄成分に触れると変色しやすい性質もあるため、「温泉や入浴剤入りのお風呂に入るときは外す」といった注意が必要です。変色した場合はジュエルクリーナーで汚れを落とすか、購入したショップにメンテナンスに出すようにしましょう。

ホワイトゴールド(WG)

ホワイトゴールドは表面にもロジウムのコーティングを施されているジュエリーも多く、長時間利用しているうちに剥がれてきてしまうケースもあります。購入したブランドに持参すれば補修できるケースがほとんどですが、定期的にメンテナンスが必要なことは心得ておきましょう。購入の際、メンテナンスの手順やサービスをお店側に確認しておくのがおすすめです。

またホワイトゴールドはパラジウムやニッケルなどの素材が含まれているケースもあるため、金属アレルギーがある人は配合されている金属の種類についても確認をしておけると安心です。

まとめ

おふたりの出会いや愛の証として、大切に選んでいきたい婚約指輪。ゴールド素材は、カラーの選択肢や強度、ファッション性など、さまざまな魅力があることが理解いただけたのではないでしょうか。

自分らしい個性を出したい方、ファッショナブルに楽しみたい方は、ぜひゴールド素材の婚約指輪も検討してみてくださいね。

更新日時:2022.04.20