「結婚指輪を着けるのは左手の薬指」という風習が定着していますが、なぜ左手の薬指なのか、世界各国で共通なのか、といった詳しいことまで把握している方は決して多くないはず。
今回は、結婚指輪を着ける指にフォーカスし、左手の薬指に着ける理由をはじめ、世界各国の結婚指輪を着ける指事情などについてご紹介します。
 

そもそも結婚指輪って何?どういう意味が込められているの?

 
結婚指輪とは、結婚した夫婦がペアで身に着ける指輪のこと。その誕生は古代ローマ時代といわれており、当時のローマ教皇が誓約の証である鉄の輪を、結婚を誓うものとして使用し始めたのがきっかけとされています。日本で結婚指輪の文化が取り入れられたのは明治時代のことといわれており、その当時は街中に結婚指輪の広告記事が掲示されていたそうです。その後、大正時代には結婚指輪の風習が広く定着し、一般的になったとされています。
 
そんな結婚指輪には、「永遠の愛を誓い、人生を共に歩むパートナーとなったふたりの絆を表す」という意味が込められています。また、その丸いフォルムから「永遠に途切れることのない深い愛情」の象徴でもあるそう。こうした点から、結婚指輪には「夫婦の愛や絆を深めるとともに、その幸せが長く続きますように」という願いが込められているともいえます。
 

やっぱり左手の薬指?結婚指輪を着けるのに適した指とは

 

結婚指輪は左手の薬指に着けるのが一般的であり、これにはきちんとした理由があります。
古代ギリシャでは、心臓は人間の感情を司る器官とされており、その心臓につながる血管が左手の薬指にあると信じられていたそう。「相手のハート(心臓)を掴み、愛の結びつきをより一層強くする」という意味を込めて、結婚指輪は左手の薬指に着けるようになったといわれています。
 
このほか、右利きの人が多いことから、左手に着けていたほうが結婚指輪を傷がつきにくく紛失しづらいという実用的な理由から、左手の薬指に着けるようになったという説もあります。

では、日本以外にも結婚指輪を左手の薬指に着ける風習がある国はあるのでしょうか?
 

日本の他にもある?左手の薬指に結婚指輪を着ける風習のある国

 
日本と同じく、左手の薬指に結婚指輪を着ける風習習慣のある国には、アメリカとイギリスがあります。このほか、カナダやニュージーランド、オーストラリアも、かつての宗主国であるイギリスの風習を見習って左手の薬指に着けるようです。
 
一点、日本と異なるのは、婚約指輪も日常的に身に着けているということ。これらの国では、婚約指輪と結婚指輪の重ね着けが支持されており、普段から2つの指輪を一緒に身に着けている方が多いそうです。とはいえ、最近では日本でも婚約指輪を日常的に身に着けたり、重ね着けを楽しんだりすることが多くなったので、そう考えるとほとんど差はないのかもしれません。
 
なお、ヨーロッパは国によって異なり、フランスとイタリアに関しては日本と同じく左手の薬指に結婚指輪を着けるそうです。
 

日本と真逆の国も?右手の薬指に結婚指輪を着ける風習のある国

 

日本とは異なり、右手の薬指に結婚指輪を着ける国には、ロシアがあります。
上記でもご紹介しましたが、古代ギリシャでは左手の薬指に着けるのがよいとされていました。しかし、その一方で「左は不吉」というイメージを持っていた人もいて、帝国や宗教によって結婚指輪を着ける指に違いが出てくるようになったそうです。その際、カトリックは左、ギリシャ正教は右と風習が分かれ、ギリシャ正教の流れを汲むロシア正教は自ずと右手に結婚指輪を着けるようになったといわれています。
 

そもそも手には着けない?!結婚指輪を足の指に着ける国もある

 

インドやアジアの一部の国では、足の指に結婚指輪を着ける風習があるそうです。インドの場合は、結婚式で「ビチヤ」というトゥーリングを新郎が新婦の足に着けるという儀式が行われていることから、足の指に結婚指輪を着けることが一般的になっているのではないかと考えられています。
 
ただし、昨今は手の指に結婚指輪を着けることも増えてきているそう。とはいえ、その場合でも日本とは異なり、右手の薬指に着けるのが一般的です。その理由は、インドはヒンドゥー教徒が多く、ヒンドゥー教では左手が「不浄の手」とされているため。こうした宗教上の理由から、結婚指輪を着ける指が決められている国もあるのです。
 

新たに購入はしない?結婚指輪を親から受け継ぐ国もある

日本では結婚指輪を用意するとなると、ジュエリーショップで新品を購入するのが一般的です。しかし、アメリカやヨーロッパの一部では、結婚指輪を親から譲り受ける風習が根付いているところもあるのだとか。お母さんもおばあちゃんも身に着けた指輪を受け継ぐと、家族の温かさをいつも身近に感じることができそうですね。
 

日本ならではの風習を取り入れることも大切

左手の薬指に結婚指輪を着ける理由には、古くからの言い伝えが大きく関係していました。今もなお、日本にその風習が残っているということは、それが当たり前になっているからだといえます。そのため、結婚指輪はなるべく左手の薬指に着けることを心がけましょう。
 
そのうえで、世界の結婚指輪事情を踏まえて、たまに着ける指を変えてみるのは結婚指輪の楽しみ方のひとつといえます。外国籍の友人や同僚がいる方は、故郷ではどの指に着けるのか聞いてみるのも面白いかもしれませんね。

 

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更新日時:2020.12.17